アルプスSABO NEWS

Date:
2014/11/5
古道徳本峠道を守る活動 ~布団篭と丸太橋を設置~
 11月1日(土)~2日(日)に「古道徳本峠道を守る人々」主催の「第4回フォーラム古道徳本峠道を語る会」に参加しました。このフォーラムは、上高地の魅力を世界に賞賛したウエストン氏が上高地を訪れた古道徳本峠の登山道を維持保全に取り組んでいます。世話人によれば、平成18年7月豪雨により上高地内で土石流が発生し、松本市の水質浄化センターが被害を受けた際、この登山道の存続が危ぶまれたことをきっかけに、この取り組みが始まったそうです。
 1日15時に徳本峠小屋に参加者27名が集合しました。私は、明神から白沢に入り、その支川の黒沢沿いの登山道を上り徳本峠小屋に到着(写真1)。日本山岳文化学会副会長である酒井國光氏が「私はこんな雪山を登ってきた」と題し、講演され、情報交換。
 次の日の2日早朝、徳本峠小屋を出発し、島々谷川の支川南沢沿いの登山道を下り、雪崩で被災した丸太の橋(以下、通称「丸太橋」という)に9時頃到着(写真2)。本日の作業は、丸太橋を50m下流に架け替え。具体的には、左岸側にふたつ、右岸側にひとつ長さ2m×幅1m×高さ80cmの布団篭を据え付け、その上に12mの丸太を3本架ける作業でした。旧丸太橋から、丸太、布団篭の撤去して、新丸太橋では、土台の整地、布団篭の設置・据え付け・連結及び丸太橋の設置・固定する。


     (写真3)左右岸に設置した布団篭の上に12mの丸太を橋長7mに人力架設の様子
 
 
私が作業に加わった左岸2段積みの布団篭では、旧丸太橋から石を取り出し、新丸太橋へ移動後の石つめなどかなりハードな作業量でした。
   ①金網ふたを接合した番線を専用のカッターで切断し、中に敷き詰めた石を除去。
   ②2段重ねた布団篭を1段に分解。篭を移動し、石を積める。番線で篭のふたを接合。
   ③2段目の篭を据え付け、石を積める。篭に石をつめる前に、1段目の篭と接合。但し、篭の壁は
   金網なので、外に膨らむので大小、角張った石のかみ合わせが重要。
 20数名がいれば、布団篭も人力で撤去・設置ができるものだと実感。さすが、伝統工法。このように人力で登山道が守られていることを理解しました(写真3)

 丸太橋の架設作業を一足先に離れ、島々谷川の南沢沿いの登山道を下りながら、渓流を観察しました。道中、紅葉と渓流の織りなす豊かな自然を観察できました(写真4)

                                                     (参加者:城ヶ﨑正人)
(写真4)島々谷川支川 南沢の様子











(写真2)雪崩で被災した(通称)丸太橋

(写真1)白沢支川の黒沢の谷に
堆積する石礫

※写真・「File Data」ボタンをクリックすると拡大写真・データを見ることができます。


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