アルプスSABO NEWS

Date:
2014/7/3
「平川を愛する会」総会で
平川における砂防事業に関する講演を行いました
  6月30日(月)長野県白馬村で「平川を愛する会」の総会が開催され、「平川における砂防事業」に関する講演を行いました。
  平川は、北アルプス連峰の唐松岳(2,696m)、五竜岳(2,814m)等を源に流域面積26.8㎢、流路延長9.5㎞、平均河床勾配1/5.6の急流河川です。古くから土砂の流出が激しく、その下流部は幾度も流路を替え、大きな扇状地を形成しました。
  特に、明治末期、昭和初期及び30年代の災害が大きく、地元住民にとっては難治の川とされていました。
  周辺は過去に幾たびも大きな災害に見舞われてきましたが、昭和37年から直轄砂防事業による整備が行われ、現在では多くの別荘やペンション等が建設され、岸辺は地域の皆さんや来訪者の散策路として利用されるようになりました。
  平川を愛する会は、この砂防事業による整備に合わせ、より親しみをもって接することのできる川にしていくため、渓流保全工周辺を良好な状態で創出~保全~活用できるよう、施設整備の計画段階から、行政・企業・専門家等の枠を越え、住民の皆さんが互いに情報交換を行っていくことを趣旨として平成19年に設立された会で毎年検討会や観察会等を実施しています。
  総会には、22名が参加し、講演では、平川の砂防工事の経緯とそれに伴って進められた周辺の開発についてふれると共に、災害に備えるには、過去の災害に学ぶことと平川の現状を良く知ることの大切さを参加者の皆さんで確認しました。
  松本砂防事務所では、「平川を愛する会」の会員と意見交換を行いながら、より豊かな自然と人との共生を目指し平川渓流再生工を整備しており、今年度は下流部の白馬オリンピック大橋下流側で魚道の整備などを実施します。
平成25年観察会の様子
※写真・「File Data」ボタンをクリックすると拡大写真・データを見ることができます。


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