第24回黒部川土砂管理協議会開催

開催日時 平成21年2月16日(月) 14:00〜17:00
場所 入善まちなか交流施設 うるおい館 2F イベントホール
議事次第
1. 平成20年6月連携排砂の実施経過について
2. 平成20年6月連携排砂に伴う環境調査結果について
3. 第30回黒部川ダム排砂評価委員会開催結果について
4. 平成20年6月連携排砂の実施結果に関する関係団体からの意見について
5. その他

協議会委員名簿



黒部川土砂管理協議会





[主な意見]
(委員A) 排砂評価委員会などでも、「連携排砂による一時的な環境の変化はあるものの、大きな影響を及ぼしたとは考えられない」という様な評価をいただいているが、この「一時的な環境の変化はあるものの」の「一時的な」という部分を、住民の皆さん方はできるだけ変化の期間を短くしてほしいという様に考えられるのは当然だと思う。
  そこで、昨年試験通砂ができなかった結果、「宇奈月ダムでは昨年の9月時点で19万mほど堆積しているだろう。」と想像するわけである。今年予定される排砂については、「かなりの量が現在も堆積しているのではないか。」というふうに考えられるのですが、やはりそういう意味では、一時的な環境の変化もできるだけ短くするという様な観点で「できるだけ早期から、堆積しているような土砂を試験通砂等で流しておく必要があるのではないか。」という様に考えている。
  今現在、どれぐらい堆積しているかという予想が立っていればその数量と、それらに対して今後どうしていくのか。できるだけ減らしておく必要があるのではないかと思うので、この点について、何か現在の状況がわかれば、お話しいただきたい。
(事務局) まず、実際にどれだけの土砂がたまっているかという現況認識だが、資料−1の9ページに出し平ダムの土砂変動量が記載されており、平成20年7月から平成20年9月までの間、連携排砂が終わってから、いわゆるゲリラ豪雨が来た後までの間に約32万mの土砂がたまっている。
  同じく10ページをご覧いただくと、宇奈月ダムについて、平成20年7月から20年9月までの間に約19万mの土砂がたまっている。これらは、9月現在における堆砂の状況であり、来年度の連携排砂における目標排砂量は、少なくともそれよりは大きな量となるであろうと想定している。
  ただ、事務局の認識では、例えば、資料−2−@の2−3ページの左側に「調査時期」という欄と「出し平ダム排砂量」という欄があるが、この欄の一番下の排砂量が今年度は35万m、平成17年6月は51万m、平成13年6月で59万mといった量を流しており、大体そういった年の状況が参考になると思っている。ただ、そうはいいながら、できるだけ小まめに土砂を流していくといった努力は当然必要であり、流況に応じて適切な通砂を実施できるよう検討、実施していきたいと思っている。
(座 長) よろしいですか。
(委員A) はい。
(委員B) 資料−2−@の2−4ページの一番下の20年6月の連携排砂の溶存酸素量のDOについて、宇奈月ダム直下、愛本、下黒部橋とも、DOが低い。また、DO飽和率が80%を切っており、ここ数年にはなかったと思うが、その原因はどんなところにあるのか。
  例えば、その原因を考えているのであれば、それに対する対策というものをどのように考えているのか聞きたい。
(事務局) その件は、実は排砂評価委員会でも議論されており、資料−3の16ページの10行目から、今質問をいただいた観点の記載がある。確かに、DOがこれまでよりも低かったという評価をいただいている。ただ、評価委員会でも議論があったが、下がった原因は、委員の方々にお伺いしても不明であるという話だった。事務局も実際わかっていない。
  ただ、DOが7.5mg/l以上あればきれいな水質であり、今回の8mg/lは、低いといいながらも悪い状態ではないという評価を評価委員からいただいている。今後、実施に当たってはモニタリング等を行い、今後とも原因を探っていきたいと思っている。
(座 長) よろしいですか。
(委員B) はい。
(委員C) 毎回同じようなことを言うようで恐縮だが、まず1点目は、資料−4で各関係団体から意見、要望が出ており、対応状況ということできちっと丁寧にお答えいただいているが、今後も引き続き、農業団体、漁業団体、そういった関係者からのいろんな要望がまた出てくるだろうと思うので、そういう要望に最大限応えるように、今後とも努力をお願いしたい。
  それから、今後の連携排砂・通砂の実施計画、環境影響調査計画の策定について、評価委員会の中で委員の先生から、長期的な観点からデータのとり方、解析の仕方について検討するようにという意見もあるので、それを踏まえて漁業団体、農業団体等の意見を十分聞いて、特に農業、漁業への影響が極力小さくなるように検討をいただきたいという事をお願いしたい。
(事務局) 関係団体からのご意見をもとに、関係団体、関係機関へ十分ご意見を伺い、調整して、連携排砂を行っていきたいと考えている。皆様方にはいろいろとご協力、ご支援いただくと思うが、よろしくお願いしたい。
  また、長期的な調査方法についても、評価委員の先生方のご意見を伺いながら調査計画を立てていきたいと思っている。
(座 長) よろしいですか。
(委員C) はい。
(委員D) これはお願いというか、賛同という意味かもしれないが、一連の土砂管理といった面で連携排砂というのは必要かと思うが、今、いわゆる環境の問題がいろいろ言われている中で、第30回評価委員会の今後の留意点に、近年の短時間の集中豪雨により、なかなか通砂ができないといった中で、実施方法については引き続き検討を進めるといったような意見も出ており、また、関係団体の意見に対する回答にも書いてあった内容で賛同ということになるが、試験通砂として実施基準流入量が下げられた中でも、近年のゲリラ的な豪雨により降雨継続時間がすぐおさまってしまい、なかなか試験通砂ができないことがあるため、是非とも現実的な、実施できるような方法を考えてもらえればと思っている。
(事務局) 近年の短時間における集中豪雨による出水の場合、通砂を実施するための必要な洪水継続時間が続かない状況が立て続けに起きている。来年度は、当面試験通砂を実施しながら、短時間に集中豪雨があった場合の対応としての通砂ができるかどうかについて、来年度から検討していこうかと今考えている。
(委員D) 小まめに出すことによって、いわゆる環境への負荷が軽減されるということも考えられるので、ぜひともひとつよろしくお願いしたい。
(委員E) 今回、3回のゲリラ豪雨があり、いずれも通砂基準に入ってから中止基準に入るまでが3時間とか6時間ぐらいと非常に短く、この間に河川の流量がなくなってしまうという状況は今まであまりなかったので、今後ともそういう状況を想定した場合にどのようなダム操作をすれば通砂ができるかということを考えていく必要があると認識している。
  ただ、両方ともダムの容量が大きいので、従来どおり水位を低下して、フリーフローの状態で流すという効果のある排砂がどこまでできるかというのは、検討してみないとわからないので、どういう状態であればどの程度の効果があるかというのを少し検討していきたいと思っている。
  我々も必要性は重々把握しているつもりである。
(事務局) 補足説明させていただきたい。
  先ほどの排砂量に関するご質問に対して事務局のほうから、できるだけ小まめに排砂を行っていきたいということを申し上げたが、基本的に排砂期間の後にたまった土砂については、次の年の6月以降の排砂で出すという話であり、私が先ほど申し上げた「小まめに」というのは、排砂期間中の洪水に含まれる土砂はなるべくためないように、小まめに通砂するという意味である。ご了承いただければと思う。
(事務局) 事務局から先ほどの短時間集中豪雨に対応した通砂方法に補足させていただく。結構、関係団体からそういう意見もあるが、先に行われた排砂関係機関連絡会議の中で、農業関係団体の方から、ちょうど6月から8月というのは一番水が要るときだとの意見があった。一方では、試験通砂として基準を下げて、回数を増やすことを考えているが、農業関係団体の方からは、取水停止の期間が長くなるという意見も出ており、そのあたり、両者にとって何がいいのかも含めて今後考えていきたいと考えている。
(座 長) よろしいですか。
(委員D) はい。
(座 長) そのほかご意見、ご質問がないようでしたら、取りまとめをさせていただく。
  本日、平成20年6月連携排砂の実施経過について、平成20年6月連携排砂に伴う環境調査結果について、説明、報告をさせていただいた。併せて、1月19日の評価委員会の結果についても説明をさせていただいたし、関係機関からのご意見に対する考え方についても説明をさせていただいた。質問等もあったが、概ね了承されたというふうに考えている。
  意見の中には、通砂のやり方の話。DOが少なかった点については、今後、事務局としても評価委員会からも指摘があるので、引き続き調査をするとの話。農業・漁業関係団体等からの要望、影響が少ない形での関係機関の協議調整を念入りに行っていただきたいという要望。近年の集中豪雨への対応の話があった。
  これらの意見について、今後、事務局において平成21年度の連携排砂及び環境調査計画を策定する段階でこの意見を反映させるとともに、1月19日の評価委員会等のご意見も踏まえながら、次の協議会に提示をさせていただきたいというふうに考えている。
−以 上−


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