第22回黒部川土砂管理協議会開催

開催日時 平成19年5月28日(月)10:00〜11:30
場所 ホテルアクア黒部 2階「ロイヤルシンフォニー」
議事次第
1. 平成19年度連携排砂計画について
2. 平成19年度連携排砂に伴う環境調査計画について
3. 第27回黒部川ダム排砂評価委員会開催結果について
4. 平成19年度連携排砂計画及び連携排砂に伴う環境調査計画に関する関係団体からの意見について

協議会委員名簿



黒部川土砂管理協議会



◇協議会の結果◇
平成19年度連携排砂計画、平成19年度連携排砂計画に伴う環境調査計画については、了承する。なお、連携排砂実施にあたっては、今回出された意見を踏まえて、適切に実施されたい。



[主な意見]
(1)平成19年度連携排砂計画について
(委員A) 前回の土砂管理協議会の中で、目標排砂量と実績との差異があまりにも大きいことを指摘したが、差異があまりにも大きいと、実施計画全体の信用性にかかわるのではないか。今年度の計画において、精度を上げるためにどのような対策、改善をしたのか。
(事務局) 差異が大きかった原因は、例年より流入土砂が小さかったこと、側岸浸食が発生したことの2点であった。対策として、流入土砂量については、平成13年から18年の実績を踏まえて推定することとした。また、側岸浸食については、側岸浸食の河床幅として最大幅を考慮し、それを土砂の移動計算に加えるという改良を加えている。今後も実証、検証を行いながら、さらなる改善を進めていきたいと考えている。
(委員B) 入善町は農業が基幹産業であり、連携排砂により愛本合口用水が停止することを大変農家の方が心配している。取水停止時間を短くするために、昨年は連携排砂の前段として、貯水位を下げるなどの対応で取水停止時間が短くなったが、今年度も同様な対応をお願いしたい。
(事務局) 今年度も河川の流況を把握しながら、その時々に応じた方法で極力、取水停止時間を短縮する方向で検討していきたいと考えている。
(委員B) 時期によっては、どうしても水が必要となる時期もあるため、連携排砂の実施においては、農家の方に不安を与えないような方法で、できるだけ短い停止時間で取水を再開していただきたい。
(事務局) 今年度の連携排砂計画においては、排砂時間、通砂時間ともに、昨年度は、自然流下時間を12時間と固定していたが、今年度は12時間以内というフレキシブルな対応としている。これは、宇奈月ダムの堆砂形状が変わり、土砂が通過しやすい形状となってきたからである。実施にあたっては、下流河川の濁度等の状況を監視しながら、なるべく早く取水停止が終了できるようにしたい。
 
(4) 平成19年度連携排砂計画及び連携排砂に伴う環境調査計画に関する関係団体からの意見について
(委員A) 平成19年度の目標排砂量である0.2万mが、実際の連携排砂おいて、土砂量をコントロールすることが現実的に可能なのか、大変疑問を感じている。また、今年度の目標排砂量に対して、平成6年12月の河床高を割り込まないようにしなければならないが、水質調査やシミュレーションだけでは現実的には難しく、現地を十分に監視していただきたい。
(事務局) 従来からシミュレーションや水質調査で監視を行っており、加えて河床変動についても監視している。目標排砂量が少ない中でのシビアな条件となっていることから、今年度は河床変動の監視を1時間から30分間隔に縮めて監視を強化していきたいと考えている。
注:河床高は河川幅を直接計測し、計算により算出している。
(委員A) 出し平ダムにおいて、2千mは河床に対してどのくらいの厚さを示す量なのか。
(事務局) 平均すると6mm程度の厚さになり、2千mの土砂量をコントロールするのは非常に難しい対応となる。そのため今回、自然流下させずに水位低下のみで行うという方法も考えている。ただ、今回測量した結果により、再度検討したいと考えている。
(委員A) 平成6年12月の河床高を割り込んだ場合の影響は、調査しているのか。
(事務局) 平成12年にボーリング調査を実施している。その結果からは、平成6年12月河床以下の部分の土質が特段に悪いということではなかった。今年度、改めて秋頃にボーリング調査したいと考えている。
(委員C) 排砂の実施にあたっては、これまでも関係団体・関係機関の意見を聞いているところであるが、今後とも引き続き、関係者の声をよく聞いて調整を図っていただきたい。
  また、農業や漁業等に極力影響が出ないよう、小さくなるように、引き続き十分な配慮をお願いしたい。
(委員B) 流木対応については、引き続きしっかりと対応していただきたい。
(事務局) 流木処理については、6月の排砂期間が始まる前までに、宇奈月ダム及び出し平ダムの貯水池内にたまっているもの、また河道内にたまっているもの、これらすべてを撤去して洪水時に流出しないよう、現在作業中である。
(委員D) 過去の実績排砂量において、年により排砂量が大きく異なる場合もあるが、今後の排砂量の見通しをどのように考えているのか。
(事務局) 黒部川上流域は長い年月をかけて山が浸食されているため、排砂量が非常に大きい年もあれば少ない年もある。平均すると約50万mということになるが、少ない年があっても必ずしもこれが続くということではないことを認識していただきたい。
  見通しについては、自然を相手とするため予測することは難しいが、やはり大きな出水が出た場合には、水と一緒に大量の土砂が出てくることも認識しておく必要がある。なお、排砂量については、前年9月から5月までに貯まった土砂量であることから、この期間に大きな出水がある場合にのみ排砂量が大きくなる。
(委員A) 黒部川においては、黒部川流域上流部より膨大な量の土砂が毎年崩壊し、確実に黒部川へ流れて流域を埋めていることから、下流部に住む我々の地域を災害から守ることは大変重要でもある。今後、これら自然の循環・環境をどのようにコントロールしていくかは、自然災害あるいは環境といった微妙なバランスの中で土砂をコントロールしていくという非常に難しい面があると思っている。この点をしっかりと住民の皆さんに知らせながら、今後の総合土砂管理を進めていく必要があると思っている。また、その考え方を整理し、地域へ周知する責任があるのではないかと思う。
(委員B) 総合土砂管理においては、侵食が著しい海岸へ土砂を運ぶことで、養浜として海の景観向上と国土保全の効果につながることから、大変良いことと考える。ぜひとも、実施していただきたい。
(事務局) 国土交通省としてもそのように考えており、総合土砂管理計画について、今年度中には策定したいと考えている。
−以 上−





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平成19年3月26日開催の第27回黒部川ダム排砂評価委員会時と資料が異なっています。
資料−2の変更については、あらかじめ各評価委員へ説明し、変更内容について了承をいただいています。
 
目標排砂量の変更に関する記者発表資料(H19.6.22)
平成19年5月25日〜26日の出水に伴い、出し平ダムへ相当量の土砂が流れ込み、堆積土砂量が変化しました。このため、あらためて測量し直した結果、目標排砂量を変更することとしました。
目標排砂量の変更については、あらかじめ関係機関、関係団体、各評価委員へ説明し、変更内容について了承をいただいています。
 
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