第21回黒部川土砂管理協議会開催

開催日時 平成19年2月13日(火)13:30〜16:30
場所 ホテルアクア黒部 2階「ロイヤルシンフォニー」
議事次第
1. 平成18年7月連携排砂及び連携通砂の実施経過について
2. 平成18年7月連携排砂及び連携通砂に伴う環境調査結果について
3. 第26回黒部川ダム排砂評価委員会開催結果について
4. 平成18年7月連携排砂及び連携通砂の実施結果に関する関係団体からの意見について

協議会委員名簿



黒部川土砂管理協議会




[主な意見]
(委員A) 今年度の連携排砂において、目標排砂量10万m3に対して実績排砂量が24万m3であったとのことであるが、このようなことがあると、地域住民の今後の排砂システムに対する信頼が損なわれるのではないかと心配している。具体的に排砂量の精度向上のための方策をお示しいただきたい。
(事務局) 「第26回黒部川ダム排砂評価委員会」でも同様なご指摘をいただいているところであるが、今後、土砂動態シミュレーションにおける河床の変動幅などを精査し、土砂量の把握精度を上げていきたい。
(委員B) 黒部川の総合的な土砂管理や下流域への環境影響を極力軽減しようとする点において、今年度山腹崩壊のあった黒薙川の影響も無視できないと感じた。今年のように山腹崩壊のある場合は、ただ崩壊による濁りを流すだけではなく、下流域への環境影響をできるだけ少なくするといった観点も必要ではないか。
(事務局) 連携排砂時においては黒薙地点のBODが15mg/lと、非常に高い値が出ていた。このような点からも、黒薙川の土砂崩壊を抑止することは非常に重要なことと考えている。
  今回、崩壊した箇所は森林管理署の管轄区域であるが、黒部河川事務所としては来年度から黒薙川でさらに1基の砂防堰堤事業の調査に着手する予定である。
(委員C) 内山ハゲについては、10年くらい前にも崩壊しておりそれなりに手当てをしてきたが、場所が場所だけに全ての資材をヘリコプターで運ばなければならないため、対策工の施工はかなり厳しい状況である。今後、上部機関とも相談しながら対応していきたい。
(委員D) 用水路に土砂があまり堆積していないという説明であったが、今年度は愛本合口堰堤における取水停止時間がかなり短かったということも関係していると思われる。そこでどのような理由で取水停止時間が短かったのか、また、取水停止時間と土砂堆積量との関係があるのかどうか、説明をお願いしたい。
(事務局) 愛本合口堰堤からの取水については、濁りの濃いときや堰堤への流入量が350m3/sを超えるときには取水をしていない。
その結果、排砂実施時期における用水路の土砂堆積厚が非常に小さな値となっている。
  一方、取水停止になると農業への影響が大きいため、自然流下に至るまでの水位低下時間の短縮や一定の濁度の指標を設けて取水再開できるような取り組みを実施し、取水停止時間の短縮に努めているところである。
(事務局) 取水停止の時間については、これまでの実績では2日程度であったが、本年度は試験通砂時は28時間、また、第2回通砂時は21時間であり、改善されているものと考えている。
  短縮できた理由としては、試験通砂時については、宇奈月ダムにおいては、通常自然流下時間を12時間としているところをシミュレーションや現地の濁度の観測から3時間としたことで短縮することができた。また、第2回の通砂時においては、水位低下開始時のダム貯水位を、通常ならクレストゲートから越流する水位から開始するところを、それより11m低い常用洪水吐から越流している状態から開始できたことでほぼ12時間の短縮が可能となった。
(委員E) やすらぎ水路は有効に機能しているのか。また、黒部川内水面漁業協同組合で実施した濁水耐性調査は、一般的な調査なのか。
(事務局) 一般に魚は洪水のときに忌避行動をとって濁りの薄いところへ移動すると言われているが、やすらぎ水路については、このような魚の習性を利用し洪水時の待避場として機能するように整備している。
  濁水耐性調査については、一般的にはあまり行われていない調査手法であるかと思う。ただし、この調査は評価委員の方からもコメント頂いているが、実際に排砂や通砂の時にアユへの直接の影響を調べたという点では大英断ではなかったかと考えている。来年度は、排砂実施機関として厳密な計画を立てた上で、同様の調査を実施したい。
(委員F) 今後とも、農業あるいは漁業の関係者から話を聞いていただき、最大限応えていただくよう、十分な調整を行って頂きたい。
(委員D) 入善町には農業関係の方が多いこともあり、水位低下を開始するダム貯水位を低くするなどにより、できるだけ取水停止時間を短くしていただきたいと考えている。
(事務局) 排砂・通砂時にダムの操作時間を短縮することは、農業団体だけではなく、ほかの関係者に対しても非常に重要と考えている。来年度の連携排砂計画の策定にあたっては、ご要望に添うよう検討していきたい。
(委員A) 今の排砂・通砂等のシステムをつくったことにより流域に住んでいる住民はメリットを享受しているわけであるが、そのことが忘れられているのではないか。排砂・通砂によって、海岸の浸食や黒部川の河床の低下等を抑制しようとするものであるが、その辺の共通の理解を今後どのように浸透させていくかということが大変重要であると思う。
このようなことから、「黒部川土砂管理協議会」において、総合土砂管理をどのように考えていくのかについて、そろそろ議論していく必要があるのではないかと思っている。
(事務局) 本来、排砂・通砂は、地域を自然災害から守るという点で重要な役割を担っているが、排砂実施機関としてもその辺りを積極的にPRしていきたいと思っている。
また、今年度から排砂や通砂が環境へ与えるプラス面の効果について検討を始めており、今後の土砂管理協議会において、その成果について、逐次ご報告していきたいと考えている。
−以 上−


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資料−1 平成18年7月連携排砂及び連携通砂の実施経過について
 
資料−2−@ 平成18年7月連携排砂及び連携通砂に伴う環境調査結果について
 
 
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