「重要水防箇所」とは、洪水時に危険が予想され、重点的に巡視点検が必要な箇所をいいます。「重要水防箇所」には、A:水防上最も重要な区間、B:水防上重要な区間、要注意区間の3ランクがあり、堤防の高さや洪水流下のための断面、堤防からの漏水等観点から「重要水防箇所」の「種別」を区分して指定されます。


種       別 ラ  ン  ク
  水防上最も重要な区間
〈A〉
水防上重要な区間
〈B〉
要注意区間
堤防高(流下能力)
堤防断面
法崩れ・すべり
漏水
水衝・洗掘
工作物
工事施工
新堤防・破堤跡・旧川跡
陸閘


各種別ごとに一定の基準に従い、ランク分けをしています。
種別に該当する区間としては、

堤防高
(流下能力)
計画高水流量規模の洪水の水位(高潮区間の堤防にあっては計画高潮位)が現況の堤防高を越える箇所。 →  Aランク
      計画高水流量規模の洪水の水位(高潮区間の堤防にあっては計画高潮位)と現況の堤防高との差が計画余裕高に満たない箇所。   →  Bランク
堤防断面 現況の堤防断面あるいは天端幅が、計画の堤防断面あるいは計画の天端幅の2分の1未満の箇所。 →  Aランク
      現況の堤防断面あるいは天端幅が、計画の堤防断面あるいは計画の天端幅に対して不足しているが、それぞれ1/2以上確保されている箇所。   →  Bランク
法崩れ・
すべり
法崩れ又はすべりの実績があるが、その対策が未施工の箇所。 →  Aランク
    法崩れ又はすべりの実績があるが、その対策が暫定施工の箇所。
法崩れ又はすべりの実績はないが、堤体あるいは基礎地盤の土質、法勾配等からみて法崩れ又はすべりが発生するおそれのある箇所で、所要の対策が未施工の箇所。
  →  Bランク
漏水 漏水の履歴があるが、その対策が未施工の箇所。 →  Aランク
      漏水の履歴があり、その対策が暫定施工の箇所。
漏水の履歴はないが、破堤跡又は旧川跡の堤防であること、あるいは基礎地盤及び堤体の土質等からみて、漏水が発生するおそれがある箇所で、所要の対策が未施工の箇所。
  →  Bランク
水衝・洗掘 水衡部にある堤防の前面の河床が深掘れしているがその対策が未施工の箇所。
橋台取り付け部やその他の工作物の突出箇所で、堤防護岸の根固め等が洗われ一部破損しているが、その対策が未施工の箇所。
波浪による河岸の欠壊等の危険に瀕した実績があるが、その対策が未施工の箇所。
→  Aランク
      水衡部にある堤防の前面の河床が深掘れにならない程度に洗掘されているが、その対策が未施工の箇所。   →  Bランク
工作物 河川管理施設等応急対策基準に基づく改善措置が必要な堰、橋梁、樋管その他の工作物の設置されている箇所。
橋梁その他の河川横断工作物の桁下高等が計画高水流量規模の洪水の水位(高潮区間の堤防にあっては計画高潮位)以下となる箇所。
→  Aランク
      橋梁その他の河川横断工作物の桁下高等と計画高水流量規模の洪水の水位(高潮区間の堤防にあっては計画高潮位)との差が堤防の計画余裕高に満たない箇所。   →  Bランク
工事施工 出水期間中に堤防を開削する工事箇所又は仮締切り等により本堤に影響を及ぼす箇所。 →  要注意
新堤防・破堤跡・旧川跡 新堤防で築造後3年以内の箇所。
破堤跡又は旧川跡の箇所。
→  要注意
陸 閘 陸閘が設置されている箇所。 →  要注意