第32回黒部川ダム排砂評価委員会開催

開催日時 平成22年1月20日(水)14:00〜17:00
場所 富山県民会館 3F 304号会議室
議事次第
1.平成21年7月連携排砂及び連携通砂の実施経過について
2.平成21年7月連携排砂及び連携通砂に伴う環境調査結果について
3.その他

委員会委員名簿


評価委員会






第32回黒部川ダム排砂評価委員会における評価
 今年度の連携排砂・通砂は、7月9日から7月10日にかけて実施された連携排砂、7月18日から7月19日にかけて平成18年度以来の実施となった連携通砂の計2回が実施された。
  なお、連携試験通砂および短時間集中豪雨対策については実施基準流量に達しなかったことから実施できなかった。

  出し平ダムからの目標排砂量は約37万m3に対し実績排砂量が約37万m3となり、排砂前に設けた想定変動範囲の約31万m3から約41万m3の内に収まる結果となった。

 水質、底質および生物相の環境調査結果をみる限り、連携排砂および連携通砂による一時的な環境の変化はあるものの、大きな影響を及ぼしたとは考えられない。

 今回の連携排砂および連携通砂における環境調査結果から以下の知見が得られた。
     
水質について
  湛水池及び河川では、
  連携排砂時に、宇奈月ダム直下および下黒部橋で一時的にSS(浮遊物質)や全窒素が高い値を示すこともあったが、全調査地点を通じ、概ね過去の測定値の範囲内であった。
  海域では、
  代表4地点(C点、A点、河口沖、生地鼻)のSSおよびCOD(化学的酸素要求量)は、概ね過去の測定値の範囲内であった。
     
底質について
  湛水池では、
  出し平ダム・宇奈月ダム湛水池における連携排砂および連携通砂1日後の強熱減量、COD、全窒素、全リンおよび硫化物は、5月と9月の調査時に比べ概ね低かった。また、ORP(酸化還元電位)は高く、50%粒径の値はやや大きくなり、連携排砂および連携通砂の効果がみられた。
  河川では、
  5月および9月における各調査地点の調査結果は大きな変動がなく、連携排砂および連携通砂の影響はほとんど認められなかった。
  海域では、
  5月および9月における各調査地点の調査結果は概ね過去の変動の範囲内であった。
     
水生生物について
  出・洪水時、連携排砂および連携通砂実施時において、アユなどの魚類の個体数に大きな変化はなかった。
  連携排砂および連携通砂により河道内に堆積した泥分の割合が、排砂後および通砂後の措置の試行により、減少していることを確認できた。
     
今後の留意点
  @ 自然環境の現状を踏まえ、排砂・通砂の実施方法について引き続き検討を進めること。
  A 排砂後および通砂後などの測量については、実施時期や範囲について、その目的にあった実施方法等を検討し、結果を把握するよう努めること。
  B 過去の環境調査結果について分析を行うとともに、長期的なトレンドや過去の変動範囲との比較について、表現方法を工夫すること。
  C 連携排砂中および連携通砂中の水質調査については、正確な数値を計測するよう努めること。また、環境調査については、現在の調査技術や過去の調査結果を踏まえ、調査の種類や項目を取捨選択し、効果的かつ効率的な調査の実施を図ること。
  D 水生生物の過去の個体数や種数の推移について、科学的な分析を行い、解明に努めること。


@平成21年7月連携排砂及び連携通砂の実施経過について
詳しくは以下の資料をご覧下さい
資料−1−@ 平成21年7月連携排砂の実施経過について
資料−1−A 平成21年7月連携通砂の実施経過について
 
[主な意見]
(委員A) 出し平ダムで発生した流量のピークが宇奈月ダムに達するのに、平均どの位の時間がかかるのか。それからボリュームがどの位増えているか教えていただきたい。
  それから黒薙川の流入で、どのぐらい量が増えてくるのか、平均的なことがもしわかれば教えていただきたい。
(事務局) 流量規模によりまして流速というのは変わってきますが、概ね時速4〜5kmぐらいの流速が発生しますので、大体2時間前後の時間差をもってピークの突出が変わってくると思っています。大体1.5時間から2.5時間程度だと思っています。
  それから流量ですが、例えば、今回の資料−1−@の1ページの出し平ダムと宇奈月ダムのピークの流量差を見ていただきますと、雨の降り方にもよりますけれども、出し平ダムの平成21年7月10日で389m/s位の流量が、宇奈月ダムではピークがほぼ同じ位の388〜389m/sの流量といったようなピークの差であると思います。その次の山を見ると100m/s位多い流量であります。
(委員A) ありがとう。
(委員B) 流量の表現だが、下2桁まで出ているので、ここまで出す必要があるのかなと思う。せいぜい下1桁でもいいのではないかという気がする。下1桁と2桁の両方が出ているので統一したほうがいいだろうと思うし、2桁目は要らないのではないかと思う。
(事務局) 精度といった観点からは、委員のご発言のとおりですが、実施機関としては記録として残っているものをそのまま出すという観点で、今回整理させていただいております。
(委員長) データそのものを出したということだね。これは生データそのものということで了解したいと思う。
(委員C) 最後の参考資料のところで説明があった測量の話だが、7月25日の上流河道部は流速があって、なかなか測量が難しかったという話だったが、大体どれ位の流量であったか、また、今回の結果を踏まえて、今後、どういう測量の仕方を事務所として考えているかを教えてほしい。暫定値という形を続けるのか、あるいは夏場はまだ流量があってなかなか難しいということであれば、測量の実施と結果の公表は9月に統一するという考え方もあってもいいのではないかという気がするけれども、そのあたり少し考えを聞かせてほしい。
(事務局) 概ねですけれども、この期間に100m/sを超えて、ピークで大体180m/s位の流量が流れてきたというのが第1点の答えです。
  2つ目の質問につきましては、実際、どういった測量を行うかにつきまして、事務局のほうでも検討中ですので、連携排砂計画を審議頂く3月の評価委員会までには考えを示させていただければと思っています。
(委員C) というのは、現在、試験通砂を試行しており、今年は結果的に試験通砂ではなくて本当の通砂になっているが、試験通砂の効果がどれぐらいであったかを評価するためには、途中で測量することがセットになってくると思う。しかしながら、今後、1年間の中で複数回排砂なり通砂したものを評価するということであれば、非常に難しい環境の中で、途中で断片的に測量をやってもなかなか全体像がわからない。従って、今後のことを考えると、手間もかかるし、値もそういう意味では中途半端であるということもあるので、排砂操作と評価の目的をよく吟味して測量方法を整理してもらえればと思う。
(事務局) 今委員のご発言のとおり、当方でも今回、その辺の問題意識を持っておりまして、いわゆる排砂期間中の横断測量、特に湖面部については、ある程度流況が安定した段階で船による測量ができますので、そういったところで、今後は測量可能範囲でトレンドしていったらどうかなというのを今考えております。
  それは、またいろいろとご意見をいただきながら、検討したいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 
A平成21年7月連携排砂及び連携通砂に伴う環境調査結果について
詳しくは以下の資料をご覧下さい
資料−2−@1/2 平成21年7月連携排砂及び連携通砂に伴う環境調査結果について
資料−2−@2/2 平成21年7月連携排砂及び連携通砂に伴う環境調査結果について
 
[主な意見]
(委員長) 大変多岐にわたる調査であり、水質、底質、生物、土砂の動態調査ということなので、一括してやると混乱するといけないので、最初、水質のほうから行きたいと思うが、水質に関して、何か意見、質問はありますか。
(委員D) 2−2ページで少し気になるのは、自然なのだろうけれども、出し平のNo.1の通砂1日後のpHは7.0で、それから宇奈月の側もpHが7.6を示している。上流の側が7.0で、下流の側が7.6。これだけpHが、通砂で同じ水がずっと流れているのにこの位変わるというのは何らかの原因があると思うのだが。
(事務局) 事務局としても、よくわかっていないのが現状です。ただ、例えば2−2ページを見てもらいますと、出し平ダムと宇奈月ダムを見たときに、常に宇奈月ダムのほうがpHは高い状況にありますので、そのような性質のダム、川であるのではないかと思っています。
(委員D) それを解く鍵が2−6ページにありそうに見ているが、当たっているかどうかわからない。「河川 水質(上流域)」の一番下にpHがあって、紫色の黒薙だが、これのpHはもともと高い。そうすると、宇奈月ダムと出し平ダムの間にある河川は黒薙であり、そのpHがこれに引っかかってきていて、宇奈月のpHを高くしていると。
  そうすると、この黒薙のpHはなぜ高いのかということなのだが、そういうのはわからないだろうね。
(事務局) そういう話ですと、黒薙川ですので、排砂には関係がないということだけはわかるかと思っています。
(委員D) そういうことになると思う。それはこれで解釈できるのかなと思う。
  それから、2−6ページの一番下のpHだが、赤の猫又の値が水を流している間に顕著に上がっている。これも何かおもしろい特徴だなと思う。これは、土砂との関係ということではなくて、自然の仕組みとして何かがあるのかなと思うのだが、委員の先生でもどなたかお分かりの方がおられれば、アドバイスを受けたいと思う。これだけ顕著に上がっていくというのは何故かなと思った。
(委員長) 上流に崩壊地みたいのがあり、そこから何か物質が流れ出てくるのであれば、水質のほうにちょっと反映すると思うので、pHだけ上がるというのもよくわからないようなことだと思うが、(顧問)、何か考えはありますか。
(顧問) 最初の問題は、黒薙では温泉があり、大体黒薙温泉のpHは8.1か8.2位なので、それが入ってくるので全体的にpHは少し高くなる傾向がそこで出ているんだろうとは思う。
(委員D) すごい水量だよね。
(顧問) そうだね。
(委員D) それでなおかつ高い値を示すというのは、温泉だけで生じるでしょうかね。
(委員B) 今回の排砂の特徴として、自然流下時の後半で400m/sとか500m/sという水が流れて、これはほぼ上流からずっとそのまま下流に流れたと考えていいと思うけれども、それにしては今のpHも、猫又のものがそのまま出し平のところには来ていないんだなと思ったり、SSだとか濁度もちょっと高くなるのかなと思ったら高くなっていないといったようなことになっている。この辺、どんなふうに理解したらいいのかと考えていた。今回、自然流下時にかなり大きな流量が流れたということで、何か違いがあったのかなかったのか、観測している方からもし意見があったら知らせてほしいと思う。
(顧問) 河川の場合は、流量、それと流速とも関係があり、流量が多くて流速が早いような雨なんかが降った場合、水の流れが乱流状態で流れる。そうすると、水の中に含まれている二酸化炭素が空気中へ逃げてpHが上がると、そういうのが一般的である。だから、非常にきれいな河川でも、温泉の影響とかがない河川でも、瀬のところでは8ぐらいに、どこの川でもなっている。
(委員B) そうですか。
(顧問) それがまた瀬から出てくるとpHが下がる。だから、ここにある程度は異常値ではないだろうと思う。
(委員長) 値としてはそう異常な値ではないと思う。
  もう1つ、ものすごく濁っている状態でどうやって測っているのかという方法で、測り方の影響みたいなものがあるのかないのかとかだね。
(顧問) pHは、大体pH計で測る。だから、濁りがあっても、直接にはpH計に影響ない。ただ、電極の部分を濁りの川に長くつけていると、電極の表面に土砂の微粒子がくっつき、pHが正常な値を出さないということになる。だから、調査する人はそれだけ気をつけて、常にきれいな状態にしてやればいい。
(委員長) 黒薙川の測定値が入ってきたのはここ何年かで、そんなに前ではないね。
(事務局) 2−3ページに黒薙のデータを示していますが、平成17年度から再度調査を開始しています。猫又が再開で、黒薙が平成17年度から調査を開始しています。
(委員長) ということで、これまではなくて、今年初めてこういう結果が出たと。それはまた今後、ちょっと気にしながらということになるかと思う。
  そういうことで、これはいくら議論しても仕方がないので、ほかに何かありますか。
(委員C) 2−6ページで、先ほど話があった猫又だが、従来、自然の洪水時に猫又から細かい土砂も含めて出し平に入ってきたものが排砂のときに出ていくというプロセスなわけである。しかし、猫又でどういうタイミングでどういうものが入ってきているのかというのは、洪水のときしか観測できないものなのでわからないということだったわけだが、今年の排砂のときは、水位低下中、自然流下中に洪水が起きたということで、たまたまではあるかもしれないが、データがとれている。
  これを見ると、SSのピークで約10,000mg/l、濁度で5,000度位だろうか。これが例えば400m/sぐらい起きたときの猫又から入ってきている、自然河川としての濁りの状況だというふうに理解したらいいと思う。
  これが過去の、限られたデータではあるが、観測データと比べてどういう位置づけにあるかということは、ここにはデータとして出ていないので、そういう整理、プロットをお願いしたい。流入土砂を推定されるときに式をつくっていたと思うので、こういう貴重なデータがとれたときには、過去の出水に比べてどうだったかという点をぜひ分析をして示してほしい。
  それからもう1点、2−7ページに、今度は下流域のデータが出ているが、宇奈月の直下と愛本、下黒部という3つの点の相互関係が少し気になる。従来、宇奈月直下と下黒部については、下流に行くから少し薄まるという理解だったかと思うのだが、今年に関してはむしろ下黒部のほうがSSも、COD、BODも高いし、濁度だけは低いのだが、必ずしも下流に行くと希釈される傾向ではない。下黒部がかなり高い値になっているので、そのあたりが何か川の変化みたいなものがあるのかどうかという点が1つと、それからその間に挟まっている愛本が、この3つの中では傾向が異なっており、これは、愛本で何か変化があるのかどうか。あるいは、年によって、愛本の堰堤の上流側で左右岸で流れがいろいろ違っており、水質調査を行っているところによって値が違うのではないかという気がしている。今年のデータを見ると、代表性という意味では少しどうかなという気がして、そのあたり、ぜひ検証してほしいと思う。
(委員長) 何で愛本が低くて、下黒部に行くとまた高くなるのかという理由はなかなか考えにくいだろうと思うけれども、データをとっていく中でまた考えてほしいということだったと思うので、よろしくお願いしたい。
(事務局) 過去のデータと比べていきたいと思っています。また、想像でございますけれども、愛本がついていけない理由は、下黒部ですとかダム直下とは全然違う流速を持っていますので、そういったところもこういった挙動に影響しているのではないかと思っているところです。
(委員長) 次の底質のほうへ行きたいのだが、底質のほうは何かありますか。総じて、概ね過去の範囲内であったという話であったわけだが、特にないようであれば、次に用水路の堆積量があるが、これも特に問題になるようなことはなかったということである。
  それから、生物調査の結果についてはいかがか。
(委員E) 5−4ページの魚類の調査では、つまり、投網の回数やタモ網の時間は一定になっているが、実施する方はどのように決めているのか。
(事務局) 内水面漁協の方と相談しながら、内水面漁協の方にお願いしているところです。
(委員E) 毎年、プロのような方がずっと採っているということか。
(事務局) はい。
(委員E) わかりました。もう1つ、5−7ページの、アユの採捕尾数のところで、今年は、放流数が少なかったのに採捕尾数が多かった。ただし、放流の重量は大きかったという話だったと思うが、これは放流したアユのサイズが今年は去年に比べて大きかったということか。
(事務局) 基本的に、重量として重かったということですので、先生のご発言のとおりだと我々は理解しているところです。
(委員E) そうすると、採捕尾数が多いという結果ではあるが、今年は比較的強い、生残率が高そうなアユが放流されたということなので、採捕尾数だけで今年がよかったという結論にはならないだろうと感じた。
(委員長) アユに関してもまだいろんな問題があるだろうと思うが、去年と比較すると、去年は非常に量が少なくて、小型でもあったと思うが、今年は平年並みに戻ったのかもしれないけれども、去年よりはよかったということだろうと思う。
(委員D) 5−2ページだが、下黒部橋地点の放流魚を除く魚類採取個体数が最近かなり減ってきているような傾向が認められるけれども、排砂の影響が出てきて、次第に積み重なってこういうふうになったのかどうか。少し心配である。
(委員長) そうだね。
(委員D) 魚が採れていたときと何が違うとか、差をそのような原因で説明できるのかどうか気になるところである。
(事務局) 原因関係は、実施機関はよくわかっていないのが実際です。来年度以降も同じような調査を続けまして、傾向を見ていきたいと思っているところです。
(委員長) 魚類のことなので、これは瞬間というのか、年に3回やっているので、必ずしも排砂だけが直接の影響でないと思うが、今(委員D)が言われたように減っているという印象が確かにあるね。こういう傾向が続くと、そのうちにいなくなってしまうということだってあり得ると思うので、もう少し精密な分析をしてもらえたらというふうに思う。
(委員F) 例えば5−3ページの魚類の表だけれども、相当大きい表になっていて、かなり見にくくなっている。
  この表に限らず、平成7年から水質や底質についても新しく調査したら、昔のデータはすべて示す、書き足してくるというスタイルで来ていると思う。それは親切ということであると思うが、果たしてこれをあと5年、10年と書き足していくやり方で限界は来ないのだろうかというようなことを感じた。そこで、急に何か変えてほしいということではないけれども、表現の仕方、作表の考え方を少し整理して、限界が来る前に検討することについて、委員会の中でも意見を出してもいいかと思ったので発言した。
(委員長) そのとおりだと思う。私もどうするのかなと心配していたのだが。
(事務局) 表記につきましては検討させてほしいと思っています。実施機関もそのとおりだと思っています。
(委員長) ここまでデータがたまって、物によってはないものもあるかもしれないが、例えば魚に関してはかなりの量になっていると思う。だから、一度排砂とどういう関係があるのかないのかというあたりも、まとめてもらえたらと思う。
(委員C) 今のことだけれども、まさに私もそう思っていて、トレンドを見る話と、変動というか、過去の最小・最大値との比較を見る話の両方があるのではないかと思う。トレンドを見るには多分こういうやり方にどうしてもなってしまうと思うけれども、今年得られたデータが過去に照らして異常値であるかどうかという観点であれば、過去のデータのある変動を示して、その中に入っているかどうかということで、視覚化ができるのではないかと思う。
  問題はどういう座標というか、軸で図を書くかである。現在は生データがそのまま書かれているが、できれば関係する、例えば水質で言うと、恐らくDOとSSなんていうのは相互関係があり、DOが下がると魚にとっては非常に厳しい。SSが上がると何が悪いかと言うと、魚にとって例えばえらが詰まるとDOの摂取が非常に厳しくなる。このような意味で、横軸にDO、縦軸にSSをとって、過去の最大、最小をとって、いわゆる台形か平行四辺形かわからないけれども、エリアをつくっておく。その中に今回の排砂がどの辺に位置しているのかというグラフなどはすぐ思いつくけれども、それに似たようなほかの指標をどう図化すればいいかということをぜひ考えてもらいたい。
(委員長) 何か工夫してやってもらえれば、非常に助かるなというふうに思う。
(事務局) なかなか不慣れなところもありますので、また、先生方にいろいろとご指導をいただきながら考えていきたいと思っています。
(委員長) 最後は土砂堆積調査があるが、いかがか。
(委員A) 5−21ページの定点Dの解釈のことだけれども、砂分3から泥分3に変わって、それからまた砂分3に変わっているが、これは砂が移動していると説明しているけれども、砂の移動を説明しないで、ただ泥だけが移動したと言えば説明できるのではないかということである。上の図から真ん中の図に移るとき、排砂によって泥が流されてきて、砂の上に泥がたまった。それで今度、真ん中の図から下の図に移るとき、排砂が終わってきれいに水を流した。そのとき泥が流れていって、それでもとの砂になったと。
  上の図から真ん中の図に移るのには砂分が流出して、泥分が堆積といったことを書いてあるけれども、砂分が流出してと書く必要は一つもなく、この上にただ泥がたまったという、それで済むのではないかということである。
  それから真ん中の図から下の図に移るのも、泥が流出して下の砂が出てきたと、それで済むのではないか。砂が移動して堆積したという証拠が何かあるのかどうか、それを教えてほしい。
(委員長) 考え方とか説明の仕方が違うということだね。
(委員A) そのように考えたら、後で流すということが非常に意味があると思う。せっかくそういった良い例なのに、何でこんな不要なことを書くのかなと思っての発言である。
  前の5−19ページの定点Aと定点Bのほうはしっかりと書いているのに、5−21ページの定点Dだけわざわざこんな不要なことを書いている。私には不要と思う。
(委員B) 本当にこれをよく見ていると、途中泥がたまって、その泥がなくなっただけという感じがする。石の大きさをずっと比較して見ているとね。だから(委員A)のおっしゃるとおりかなと思う。
(委員長) 実際はどうだったのかということである。砂が一遍出てしまって、後からまたやって来たというような証拠があるのかないのかだね。
(事務局) 実際、この観察はあくまでも表面だけしか見ていませんので、(委員A)がおっしゃるとおり、この部分も少々書き過ぎな部分があるかと思います。現象としましては、(委員A)のご発言のとおりかと思っていますので、そのように理解させていただきたいと思っています。
(委員A) それから泥が流れるのと砂が流れるのは、流速の変化がなかったら流れないわけである。そういったことも一々細かい流速の変化が出てくるのか。
(委員長) この辺も整理して、次回提示してもらえたらというふうに思う。
(委員F) 排砂・通砂後の措置の関係では、資料を見ても、ある程度効果が見られるのではないかという方法なので、来年度以降にも調査事例というか、調査の項目の視点なども増やして、しっかりやってもらうと良いのかなと思う。そして、その関係の結果がよく出てくれば、排砂後の措置も始めたばかりであり、試験段階を経たばかりではあるが、運転の技術を高めるということについては(顧問)の最初の挨拶でもあった大事な部分なので、研究し、技術を高めてほしいというふうに要望したい。
(委員D) 濁りのところではなくて、底生動物のところで聞き忘れたので発言してよいか。
(委員長) はい。
(委員D) 5−11ページの赤の□は、黒部川の影響を直接受けやすい河口域にあるC点である。この点はすごく河川の影響を受けるところなのだが、この採取種類数とか個体数が、平成13年から15年あたりで一度高くなっている。これが富山湾そのものの特徴なのか、あるいはこのときの排砂量が少なかったのかとか、そういうようなデータ処理をしてもらい、この高くなったところの理由を明らかにしておく必要があるのではないかなと思う。
  その両側が低くなっていて、ここだけが高いので、この原因は何かというようなことをチェックしておく必要があるのではないか。
(委員長) 過去にさかのぼってということだが、平成13年から15年のところでは確かに河口のC点の値が、採取個体数も種類数も多いね。
(委員D) そうです。
(委員長) これはこの年だけ何かあったのか、どうなのかというあたりのことを解析してほしいということだが。
(委員B) 平成14年、15年は確かに排砂量は少ないね。
(委員D) 少ないようだね。私もその記憶がある。それがC地点に影響していたら、少し考えるべきことではないかと思う。
(委員長) そうだね。この排砂量との相関みたいなものを一切見ていないわけだから、そのような観点も加えて分析した結果をまた見せてほしいと思う。
 
B第32回黒部川ダム排砂評価委員会評価について
 
[主な意見]
(委員長) 本日の第32回黒部川ダム排砂評価委員会の評価ということで取りまとめた。委員の皆様、いかがか。
(委員D) 水生生物の項目だけれども、一番上の過去の調査結果と概ね同じであったという文章に、私が2カ所ほど指摘した部分はこの中に勘案されているのか。そのように考えてよろしいか。
(委員長) もし、こう書いたほうがいいということがあれば発言してほしいと思う。
(委員D) 影響がどうのこうのというのではなくて、自然科学的にその部分を解明しなくてはいけないというような文章を入れてはどうか。
(委員長) そういう文言をつけ加えればということか。
(委員D) 今、どのように書き換えれば良いかわからないので。
(委員長) そうだね。ここで具体的にということだとなかなか時間がかかるので、私のほうにそれは一任してもらえれば、そのことを追加するということにしたいと思う。
(委員D) お願いする。それは留意点のところでも構わない。
(委員長) そうだね。
(委員D) ただ、ないという、概ね同じ程度であったというのは気になる。
(委員長) 毎度これで済んでしまっているんだね。
(委員D) お任せする。
(委員C) 1点よろしいですか。
(委員長) はい。
(委員C) 今後の留意点のところで、Bはデータとして精度を上げていくということを書かれているが、先ほど話があったように、データが蓄積していっているので、それを視覚的にまとめる方法について、発言したように長期的なトレンドを見る部分と、過去の変動に照らし合わせて変動範囲に入っているかどうかを容易に把握できるように表現方法を工夫するということをぜひつけ加えてもらいたい。
(委員長) そうだね。その意見も確かにあった。次は、それも追加ということで任せてほしいと思う。
  もう1つ、参考資料2についての説明が省略されていたけれども、これは委員の皆様にあらかじめ伝達してあって、意見ももらっているということで、それを含めて今回の委員会の評価をしたということで了解してほしい。
−以 上−





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資料−1__ 平成21年7月連携排砂及び連携通砂の実施経過について
資料−2−@ 平成21年7月連携排砂及び連携通砂に伴う環境調査結果について
 
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