平成20年1月24日(木)14:00〜17:00
ボルファートとやま  4F「珊瑚の間」
1.平成19年6月連携排砂の実施経過について
2.平成19年6月連携排砂に伴う環境調査結果について



評価委員会





第28回黒部川ダム排砂評価委員会における評価
 今年度の連携排砂・通砂は、6月29日から7月2日にかけて実施された連携排砂1回のみであり、連携通砂については、8月22日に連携試験通砂、その直後に連携通砂の体制に入ったものの、ダムへの流入量が中止基準流量を下回ったため中止した。
 今回の連携排砂では、一連の排砂作業の途中で宇奈月ダム上流域において激しい雨が降ったため、連携排砂作業を一時中断し、宇奈月ダムにおいては、洪水調節を行った。
 出し平ダムからの目標排砂量は約6万mに対し実績排砂量が約12万mとなったが、水質、底質および生物相の環境調査結果をみる限り、連携排砂による一時的な環境の変化はあるものの、大きな影響を及ぼしたとは考えられない。

 今回の連携排砂における環境調査結果から以下の知見が得られた。
     
水質について
  湛水池及び河川では、
  全調査地点を通じ、概ね過去の測定値の範囲内であった。
  海域では、
  代表4地点(C点、A点、河口沖、生地鼻)のSS及びCODは過去の調査結果に比べ低い状態であった。
     
底質について
  湛水池では、
  出し平ダム・宇奈月ダム湛水池における連携排砂1日後の強熱減量、COD、TOC(全有機態炭素)、全窒素、全リンおよび硫化物は5月と9月の調査時に比べ低かった。また、ORP(酸化還元電位)は高く、50%粒径の値はやや大きくなり、連携排砂の効果がみられた。
  河川では、
  5月および9月における各調査地点のCOD、TOC、全窒素、全リン、硫化物および50%粒径は、類似した値を示しており、連携排砂の影響はほとんど認められなかった。
  海域では、
  COD、TOC、全窒素、全リンおよび50%粒径は、過去の測定値の範囲内であった。硫化物については、一部水産用水基準値を超えた地点があったため、来年度以降も継続的に監視していく必要がある。
     
水生生物について
  河川、海域において、種類数・個体数については、過去の調査結果と同程度であった。
  出・洪水時、連携排砂実施時において、アユなどの魚類は、濁水等を避けるため、やすらぎ水路や水制裏などへ逃げ込んできていることが確認できた。
     
今後の留意点
  @ 環境調査については、引き続き調査項目・場所・頻度などを検討の上、重点的、効果的かつ効率的な調査の実施を図ること。
  A 出し平ダムからの目標排砂量に対し実績排砂量に差異が生じたことに鑑み、土砂量の把握手法の向上に努めること。
  B 試験通砂については、来年度も継続して実施し、その効果について確実に把握するとともに、実施方法についても引き続き検討を進めること。
  C 排砂後・通砂後の措置の試行については、その効果を把握するよう努めること。


@平成19年6月連携排砂の実施経過について
詳しくは以下の資料をご覧下さい
資料−1 平成19年6月連携排砂の実施経過について
 
[主な意見]
(委員A) 平成19年度の排砂量の予測と実績との差に対する分析について、流入土砂量の予測の精度の問題と、今回は排砂を始める前に洪水が継続したことで、出し平ダムでは少し水位が低い状態を維持された結果が影響しており、この2点が大きなポイントだと思う。まず1点目の流入土砂量の差異については、猫又、出し平ダムの上流の河道の状態によってかなり入ってくる土砂量が変わってくると思う。
  この地点は、非常に勾配がきつい河道区間であり、かなり河床が粗いところでもあるので、非常に細かい土砂が沢山貯まっているときには、沢山流れてくるが、比較的粗い土砂が河床を覆ってしまうと、かなり大きな流量が起こらないと細かいものが巻き上がってこなくなる。河道の状態によって、例えば200m/s、300m/s程度の流量で入ってくる土砂量に、かなり差があるという結果になっているのではないかと思う。
  今回解析されたような効果は、確かにこの数年に関してはあり得ることだと思うが、今回6万mぐらい土砂量が違ったという結果から考えると、むしろ2点目(水位が低い状態を維持していたこと)の影響の方が結果的には大きいのではないかと思う。
  これは、水位低下した箇所の土砂が非常に削られて、この地点の土砂が排砂期間中の少し前の段階で、ある程度ダム湖の中で、排砂ゲートに近い部分にあらかじめ移動し、水位低下時にそれが極めて短時間に排砂ゲートを通って下流に出たことが十分考えられるので、この部分の効果は非常に大きいと思う。
  ただ、今回非常に特殊な操作になったということであり、洪水の波形によってかなり変動するところだと思うので、これをどこまで予測してあらかじめ計画に盛り込んでおくかどうかは、いろんなパターンがあり得るので非常に難しい点であると思う。
  目標排砂量をあらかじめ設定・公表し、それに従って結果を評価するという手順をとっているが、その目標排砂量というものをどのような形で使用しているのか。例えば、排砂量が5万mが10万mになった結果として、具体的な下流域の対応に、差があるのかを聞かせいただきたい。
  連携排砂が始まってから、これまで平均して30万m程度の排砂量となっているが、今年度は非常に少ない土砂量であった。その少ない土砂量の中で、目標排砂量と実績排砂量をぴったり合わせるのは、なかなか難しい面があるし、流入土砂量の変動、洪水波形の変化であるとか、あるいは貯水池の中で土砂がどのように削られるかといった変化も年によって違うため、そのような変動をどのくらいまで許容するのか、その辺を議論したほうがよい。具体的には目標排砂量をある程度の幅を持たせて予測していくということも、場合によってはあり得るのではないかと思う。
(事務局) 目標排砂量の量によって下流部での対応が違うのかという点については、具体的には、それによって何らかの対応をとる、あるいは変わるということは無いと考えている。
  排砂量と環境への影響という観点から、目標に対して実績が違うことについて、ご意見があるものと理解している。
  また、目標排砂量に幅を持たせることについては、実施機関としても、常々考えている点である。ただ、今のところどのように幅を持たせるのかということに関しては、もう少し検討が必要であり、評価委員の方々とも相談して、今後の課題にしていきたいと考えている。
(委員A) 今までの目標排砂量というのは、当然変動があるという中である程度平均値的なものを表していると思う。観点は、予測された変動の中に入っているかどうかであり、想定される変動の幅を超えて変わったときに、想定されていないようなものが実際に起きたのかどうかを検証していくことになる。よって、平均値的なものと、その変動の両方を提示していくための技術的な向上を図っていく必要があると思う。
  また、濁りのほうのSSについては、現状でも既に幅を持たせて示しているので、目標排砂量も、ある意味同じように考えても良いのではないかと思う。SSとは少し質が違うが、過去の実績がかなり積み上がってきているので、検討を進めていただきたい。
(委員長) 目標排砂量について、幅を持たせるというのは大変難しく、シミュレーションを行うにもいろいろなケースがあると思う。少し時間もかかるかもしれないが、今後も検討を進めていただきたい。
(事務局) わかりました。
 
A平成19年6月連携排砂に伴う環境調査結果について
詳しくは以下の資料をご覧下さい
資料−2−@ 平成19年6月連携排砂に伴う環境調査結果について
 
[主な意見]
(委員B) 海域の底質調査について、計画では5月と9月に20地点の調査を実施し、排砂1日後の調査では代表4地点のみの実施となっており、排砂時の調査が全く実施されていない。この調査計画はいつの時点で了承されたのか。
  2点目は、海域を5つに分けてそれぞれデータを示しているが、なぜ、それぞれの海域で1つの値としているのか。どのように試料を採取して、各海域の代表値としているのか。
(委員長) 前回の委員会において、海域の底質調査は、今年度は代表4地点とあわせ、全体で20地点ということで、了解が得られていたと思う。
(委員B) なぜ、一番大切な排砂時に調査しないのか。
(事務局) 海域の底質調査につきましては、調査方法において特にいつの時点で変更したということではなく、従来からこのような方法で実施している。
  また、排砂時の調査については、実質的に排砂のときは非常に天候が悪く、そのような時に海域で底質から土砂を採取するのは非常に難しい。実施できたとしても天候が落ちついた後の排砂1日後の調査が精一杯であると考えている。
  海域を5つに分けて整理しているが、各海域において特にどの部分を代表値としているということではなく、データは各海域それぞれの地点における全てのデータを提示している。
(委員B) 海域を5つに分けて整理すること、底質のセジメントトラップ調査を止めるということについては了解していたが、排砂時での採泥を止めるということについては、議論していなかったように思う。
(事務局) 環境調査計画については、例年3月の排砂評価委員会において承認をいただいている調査内容であり、議論はなされているものと考えている。
(委員長) 平成19年度の環境調査計画については、昨年3月末の評価委員会において議論し、了承している。その上で、今年度の調査を実施している。排砂時における海域の底質調査については、今年3月末の評価委員会において、平成20年度の排砂計画の中で議論していきたい。
(委員B) わかりました。
(委員C) 出・洪水時、排砂時における魚類調査について、試験水路を用いた魚類の退避状況調査からは、効果があるような結果にはなっていると思うが、このような調査に関しては、例えば水量や流況が変化したときに、同様の結果が得られるのかどうかが問題となってくる。このような調査に関して、継続的な調査を実施する予定があるのか。また、今回どのような結論を出しているのかを教えていただきたい。
(事務局) 確かに条件によって結果は変わってくるかと思うが、今年度の調査計画では排砂・通砂実施時に調査することとしていたため、結果的には、今年は1回しか実施できなかった。
  その結果、ある程度、魚類が逃げ込んでいることを確認できた。これまで、やすらぎ水路等の整備をしてきているが、その整備自体、無駄ではなかったと考えている。今後も、整備を進め、活用を図っていきたいと考えている。
(委員C) 継続的な調査は予定しているのか。
(事務局) 継続的に調査する予定は今のところ考えていない。
(委員C) わかりました。
(委員A) 試験水路の調査において、「タイプ1」の袋状水路については、特にアユ等の逃げ込みには非常に貢献し、顕著な差が現れているが、この「タイプ1」がほかの「タイプ2」あるいは「タイプ3」と具体的に何が違うのかを分析しているのか。
  もう1つ、自然流下の後、明け方5時、6時くらいにアユが沢山入っていて、7時、8時くらいには逆に減ってきている。これは黒部川本川にアユが戻ったというように考えればよいのかどうか。つまり、逃げ込むタイミングと戻るタイミングがあり、これがアユの行動に影響しているのではないか。
  例えば、黒部川本川の濁度が1,000程度になってくると、少しアユが逃げ込む場所を探し始めて、場合によっては、このような少し濁度の低い水域があると逃げ込み、逆に、黒部川本川の濁度が1,000を下回ると、場合によっては本川に戻り出すというような、閾値(いきち)のようなものがあるのではないかとも考えられる。この辺を今後科学的に検証していくことが大事であると思う。
  また、当然濁りだけでなく流量も一緒に変動しているので、水位が低下してくると、多分、魚類も本川に戻るという行動をとると思われるので、水位の変化と濁りの変化のどちらが影響しているのかを分析していただきたい。
(事務局) 定量的に分析していくのも一つの研究課題かとは思うが、黒部河川事務所としては、アユと魚が忌避行動をとるという、一般的に言われていることに対して、若干とも調査結果からは効果があったこと、確かに逃げ込んでいるということが今回確認できたことから、今後は定量的にこれらを深く分析していくよりも、アユ等が逃げ込める施設を整備していく方向で考えていきたい。
(委員A) 整備していく上でも、やすらぎ水路内の濁りが上昇してしまっては、多分良くないと思われるので、濁りをどの程度に抑えるのかというような視点が必要であり、水域をつくるだけのやり方は良くない。その辺をあわせながら整備していく必要があると思う。
(委員長) 今後、平成20年度の調査計画を立てる上で、この退避行動調査については、今後も続けていくのか。
(事務局) 平成20年度の調査については、3月の評価委員会の場で議論いただきたい。その場において必要だということであれば、継続して実施することになると思う。
(委員D) 礫付着物調査において、藻類のクロロフィルa量とフェオ色素について、過去の調査データでも良いので、他の河川と比べて黒部川の現状が一体どの程度のところに位置するのかを知りたい。
  また、礫に付着しているデトリタスと呼ばれているようなものの起源が、どこから由来しているのか、年間通じての調査がなされていない。また、冬期の状況についても把握しているのかを聞かせていただきたい。
(事務局) 過去にほかの河川でどのような状況であったかという点については、今すぐは回答できないため、今後、調べていきたいと考えている。
  また、デトリタスについては、黒部川の場合、調査結果からは出水及び排砂に伴い、一時的に減少しているという状況であった。
(委員D) やはり、クロロフィルa量とデトリタスの関係を把握していくことが必要であり、ある意味、研究の領域に入ってしまうのかもしれないが、その辺のことがわからないと、先に進めないような感じを持っている。
(委員長) あくまで、排砂によって影響があるのかないのかということを、特にアユを主体とした魚類等について調査してきており、答えが出るよう今まで努力をしてきている。調査の位置づけをもう少し整理すれば、非常に有効であると思う。
(委員D) これに関連して、土砂の堆積調査を実施しているが、これについても恐らくアユと関係しているとは思うが、現状ではなかなか関連づけられないでいる。
  土砂分布状態の区分についても、「砂分1」から「泥分4」まで8区分で実施しているが、もともと「砂分1」というのは礫の間に多少砂がある程度の状態なのか、本来は砂も泥もない礫だけという状態であれば、アユが食べても変なものが体内に入らないのではないかと思うので、そのような状態が、もともとなかったのかどうなのかを教えていただきたい。
(事務局) 「砂分1」、「泥分1」というような土砂分布状態の区分については、結局見た目で判断している。礫の中に含まれているものが砂であれば「砂分」と称しているし、泥が入っていれば「泥分」と称している。割合についても、見た目で区分している。
(委員長) 冬場の礫の状況、デトリタスも含めた付着藻類の関係については、クロロフィルaで表される生きたものは、ほとんど少なくなっているのではないか。また、アユの生態としては、冬場の間は海で生息しているはずである。
  この議論をするのには、黒部川自体の生態系の問題としては、非常に重要であるが、今ここで議論を進めているのは、あくまで排砂ということに対して影響が何か説明できるようなことに関して、できるだけ調査を絞った形で今まで実施してきている。
(委員D) 結局、このような礫付着物の状態が恐らくずっと継続していると思われるが、過去のデータを整理してみる必要があるとも考えている。
  よって、排砂の影響というものがあって現在があるのか、排砂と関係なしに現在の状況となっているのかというのは、明らかにしておく事象であると考えている。
(委員A) 関連したところで、平成19年度の四十八ヶ瀬大橋における付着藻類については、今回は排砂が1回であったことから非常に明確な結果が出ていると思う。各調査日において、その間の出水状況による結果が、トレンドとして明確に出ている。洪水が起こるというのはどの川も同じであり、洪水に伴って砂がある程度一緒に流れることも普通の川と同じである。ただし、問題は排砂をすることで、河床の空隙に、普通の川ではないような砂のたまり方をしているとか、礫表面にシルトが少し過剰に残るようなことが起こっているとかが、付着藻類に影響していないかどうかがポイントであると思う。
  クロロフィルa量は、排砂後順調に回復していると判断できるのか、例えばほかの河川での回復速度と黒部川の回復速度が違うのかどうかを比較しなければならない。あるいは平成17年、18年の回復の仕方と平成19年の回復の仕方が同じなのか違うのかを分析することで評価していくことになると思う。
(委員E) 海域における生地鼻沖の底質について、硫化物のデータに関して、先ほどの説明では局所的な値という分析であったが、これを無視しても良いのかどうかは、もう少し議論が必要であり、局所的という見解について、もう少し具体的な説明が必要であると思う。
(委員F) 生地鼻沖地点においては、補足的に3試料を採取し底質調査を実施しているが、具体的にどのように実施したのか。同じ地点の底質を採るというのは非常に難しいことと考えている。また底質の生物相調査も実施しているが、この調査は、海域で採った底質のサンプルを一方では化学分析をし、また一方では生物調査も実施しているということなのか。つまり、実際に底質の悪化状況があると生物相にも反映しているのではないかということで、両方から考察できるのではないかと思うが如何か。
(事務局) 生地鼻沖における補足的に調査を実施した地点については、全て同じ地点とすることは不可能であり、GPSで位置を決めているが、若干の違いは出てくると思われる。
  11月に補足的に採取した3試料の内、2試料ではほとんど検出不可能な値であったが、もう1試料は9月の調査結果とほぼ同様の値であった。
  実施機関としては、原因が何であるかということは言い切れないが、事実として採取した部分の底質が非常に細かいものであったということから、硫化物が増えたのではないかと考えており、今のところそれ以上の知見は持ち合わせていない。
  今後とも、しっかりと状況を把握していきたいと考えている。
  また、底質中の生物については、最初にほぼ同じ地点の土砂から採取したものの中にいる生物を確認しているが、硫化物の値が高くなったために、それに伴い特に生物相が大きく変わっているという結果にはなっていない。
(委員F) わかりました。
(委員E) 過去には、他の点でも局所的にはあり、一時的に高い値が出ることもあった。非常に細かい細粒分があったために、硫化物の値が増えるということがあるとすれば、そのようなことを前提にして、今回の調査結果を評価していかなければならない。もう少し専門的に裏づけられる説明が必要であると思う。
(委員長) 次回の調査に対して検討しておく必要があり、生地鼻沖については、過去においてはこのようなデータがなく、今回初めてこのようなデータが出たことから、生地鼻の海域について考える場合は、大体生地鼻までが富山湾であり、生地鼻から外へ出たところが日本海となる。このため、海況というか、流況が少し違っているという関係からも湾内の生地鼻より少し西のほうから流れてくる、いろいろな汚濁物もあるのではないかと思う。そのようなことも含め、今後も検討していく必要がある。
(委員E) 排砂時の土砂移動のパターンはいろいろあり、海域の表層では東側に流れていくものもあるが、海底での移動は逆に西側へ流れるといことがわかっている。そういう意味においては、生地鼻にも影響があり得ることから、もう少し検討が必要であるという意見については賛成である。
 
B第28回黒部川ダム排砂評価委員会評価について
 
[主な意見]
(委員長) 配布した第28回評価委員会の評価案について、ご意見を伺いたい。
(委員A) 今後の留意点において、Bの試験通砂については、昨年の8月の出水で通砂実施基準に達し作業を始めていたが、結局、降雨が短時間で終わり、河川流量が急激に減少したために、通砂が中止に至った。
  今後、特に梅雨明け後の8月の中旬から下旬の出水に対して同様なことが、また繰り返される可能性が十分あるため、その時期における通砂の実施判断について、工夫の余地があると感じている。
  よって、実施方法についても引き続き検討を進めていく必要があると思う。また、今年のデータを見ても、通砂を実施しなかったために、ダム湖の中に細かい土砂が貯まっていることもあり得ることから、そのような土砂をなるべく翌年度に持ち越さないために、いわゆる自然流下までには至らない、水位をある程度まで下げた状態での抑制措置を、場合によっては検討していくことも必要かと思う。試験通砂については、特に8月中旬以降の洪水時に、どのような対応を行うかという点について、引き続き検討を進めていただきたい。
(委員長) Bの文章に追加して「運用についても弾力的な検討をする」というような文言を入れることで良いか。
(委員A) 例えば「確実に把握するとともに、実施方法についても引き続き検討を進めること」というような文言を盛り込んでいただきたい。
(委員長) 「その効果について確実に把握するとともに、実施方法についても引き続き検討を進めること」という文言に修正を行う。
(委員E) Bの文面を今修正したので「努める」という表現が削除されたが「確実に把握する」という表現で問題はないのか。
(委員長) 「検討を進める」ということに帰結しているので、拘束はしていないと考える。
(委員F) 今後の留意点において、Aの土砂量の把握については「把握精度をさらに向上する」というような表現としているが「精度」という文言とすると、今回の結果にもあるように、土砂量には幅があると思われるので「把握手法あるいは予測手法をさらに向上に努める」というように「精度」という文言を入れないほうが誤解を招かない。本日の議論の流れからも、結果的には精度を上げていく必要はあるが、精度だけを追求しているわけではなく、予測手法自体も検討しなければならない。
  「精度」ではなくて「手法とか把握手法の向上に努める」というような表現が妥当である。
(委員長) 「土砂量の把握手法の向上に努めること」という文言に修正を行う。
  よって、今後の留意点における、AとBの文言について修正を行うこととする。
−以 上−


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