(委 員) |
工場排水とかの臭気基準に比べるとかなり低いということはわかるが、工場排水などの臭気基準では地域住民が出水の時に感じている川の臭いを表現していないのではないか。 |
(事務局) |
今回の連携排砂時の臭いについて、地域の方がどのように感じたかを黒部市の自治会長さんなどから話を聞いたが、悪臭がしたといった話はなかった。自然流下中も洪水時の臭いとして感じていたようだ。
この臭気調査は、過去の排砂時で異臭がしたという方がいたので、このような定量的な測定を行った。結果を見ると、排砂ゲートを開ける前から臭いが確認されていたが、これは流量が増加するのに伴い黒部川のSSが高くなったことによるものと理解している。排砂前、排砂後ともに臭いの種類は土臭であった。
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(委 員) |
黒部川では他の河川と異なり、洪水のピークとSSのピークが一致しないのは、ダムで一時的に土砂が止められたために、タイムラグが生じたものなのか。 |
(事務局) |
黒部川のSSピークは自然流下の開始前後となっている。これは連携排砂をダム流入量のピークを確認した後、水位低下を行い、その後自然流下を実施しており、出水ピーク時には排砂ゲートを開けておらず砂などがダムから出ていっていないため、洪水ピーク時にSSピークが生じていないものと思っている。 |
(委 員) |
データがないので想像に近いものがあるが、海域では今回の排砂でC点のCOD,SSが高くなっていることから、細かい粒子がこれまでより多めに海に流れ出たと思う。この時期はサザエの産卵にあたるので、有機物と泥が一緒になったものが沿岸部の海底に漂うような状態で残ると影響がでるかもしれない。また、県東部ではアワビの稚貝の放流もしているが、細かい土砂に遭遇すると生理的に影響がでるかもしれない。 |
(委 員) |
過去に濁度が稚貝に与える影響について実験をしたが、あまり影響がなかったように記憶している。 |
(委員長) |
それは出し平ダムの底質を用い濃度を変えて、川と海の魚のヘモグロビンの変化などのストレス実験を水槽で行ったものである。 |
(事務局) |
緊急排砂時の委員会では、魚類の評価は海域も河川域も一時的に変化はあるが、その後は元にもどるという結論が得られていると思っている。今後、過去に行った濁度など変化に対する生物の生育調査や実験結果を整理して説明する。 |
(委 員) |
流下土砂量や他の環境調査の結果が出ていない現状では、今回の連携排砂の評価はできない。今後、貯水池に流入した土砂や流れ出た土砂などの移動土砂のシミュレーションやその他の環境調査結果を説明して頂きたい。
今回の洪水と過去の出洪水を雨量や流量、流下土砂量等から比較を行い、今回の連携排砂の環境調査結果の解析をしなければいけないのではないか。
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(事務局) |
限られたデータでシミュレーションを行うので正確な値ではないが、ダムへの流入土砂量や流下土砂量を把握するためのシミュレーションを行うとともに、今回の洪水の雨量や流量等を、過去の洪水と比較整理し、まだ調査結果のとりまとめを終えていないダム堆砂測量や水生生物調査等の全ての調査結果が出た時点で説明をする。 |
(委 員) |
今回の連携排砂の影響をみるために排砂直後に1点でもいいので海域の底質調査を実施したほうが良い。 |
(事務局) |
9月に実施し春の排砂前のデータと比較する予定であったが、早急にサンプリングする方向で検討する。 |
(事務局) |
前回の委員会で「スメクタイト」「粘土鉱物」について専門家の話を聞きたいとのことであったので、次回委員会で専門家の話を聞きたいと考えている。人選については委員長と相談し、決めさせていただきたい。 |