別当谷山腹崩壊に関する情報（第3号）

平成18年9月21日

　この情報は、手取川上流別当谷で山腹崩壊が発生し、周辺地域における土砂災害の危険性が高くなっていることから、登山者及び周辺を利用される方々への注意喚起の徹底と関係者・関係機関への情報提供を目的に行っております。

• 伸縮計データによる崩壊地上部の亀裂の状況は、変位速度は鈍化しているものの、依然として拡大傾向にある。
• 9月7日(木)及び9月15日(金)に崩落した土砂約５千立方メートルは、土石流化せず渓流に堆積しており、流水が堆積土砂上を流れている。

　9月20日撮影に崩壊地の上流側斜面上部から撮影。中央付近の樹木は崩壊斜面上にあったもので、斜面中腹に崩壊土砂の一部とともに留まっている。
　別当谷に堆積した土砂の上を流水が流れており、土石流化の兆候は見られない。

• 9月20日（水）、砂防・地すべりに関する学識経験者及び専門家による現地調査を実施した。
• 調査団の構成は以下のとおり
  川村國夫金沢工業大学土木工学科教授(調査団リーダー)
  小山内信智国土技術政策総合研究所危機管理技術研究センター砂防研究室室長
  丸山清輝独立行政法人土木研究所新潟試験所主任研究員
• 調査結果（概要）
  イ）原因は、地すべり性の崩壊で、7月の梅雨末期豪雨及び9月の崩壊直前の秋雨前線による降雨が誘因となったと考えられる。
  ロ）今後、残存土塊が崩落する可能性がある。残存不安定土量は最大約4万立方メートル。
  ハ）崩壊に伴い天然ダムが形成される可能性は低い。
  ニ）崩壊当初に比べ伸縮計の変位量は沈静化の傾向にあるが、依然として移動しているため引き続き監視が必要。