白山砂防女性特派員

特派員レポート

●1年をふり返って 〜第1期白山砂防女性特派員〜


冬の白山


白山砂防女性特派員に参加して

M.H

 白山は一番早く初雪の降る山で、私の記憶の中では白い山というイメージで、ずっとあこがれていました。
 初めてその白山に登山したのが学生時代でその頃は登山道はまだよく整備されてなくて、山小屋もお粗末なものでしたが、ご来光、花畑、雪渓など、白山の自然にとても感動して、結婚してから子供たちを連れて3度登りました。
 白山は何度登っても又登りたいと思う山なのです。
 今回私は、白山砂防女性特派員に参加して、白山に関する知識が増えたし、白山に対する認識も少し変わったと思います。
というのは、白山は休火山だといままで思っていたのですが、実は活火山だと知ったことです。富士山も今は活火山だと息子に教えてもらったのも最近のことです。 ということは、白山の地下では、マグマが活動していて、いつかは噴火する可能性があるということです。又、白山は地滑り地帯であるということも知りました。 特に甚之助谷の地滑りは激しく、土石流から下流の人々を守る為に大正時代から砂防堰堤工事を続けてきたのです。当時は現代のような重機もなく、全部人力なので、たいへんな重労働だったと思います。砂防堰堤の現地見学会では、現在のハイテクを駆使した大掛かりな無人化施工と大正時代に作られた堰堤と対照的でした。 又、地滑り対策として、集水井や地下に排水トンネルを掘って地下水を排除する排出口を見学しました。
 又、私たちは白山の豊な水の恵みをうけていることも実感しました。 手取ダムの見学会や手取川流域や手取川河口の見学会など白山を色んな角度から捕らえた見学会もよかったと思います。
 特に白山登山では隊員が協力して無事登山出来たこともよかったし、天候も最高でした。今後、県民の皆さんに砂防の重要性を認識してもらう為に女性のみならず男性にも特派員として活躍してもらうのもよいことではないでしょうか。
 特派員を支えてくださったスタッフの皆さんありがとうございました。



白山柳谷の砂防工事現場
白山柳谷の砂防工事現場


白山砂防女性特派員一年間の感想

K.K

 新聞に出ていた広告を見て、さっそく応募してからはや一年。
 厳かな委嘱状交付式で、これは大変なところに来てしまった・・・と思うことしきり。
 しかし、事務所の皆様が、なにもわからない私たちに、丁寧に対応してくださり、又、学ばせていただくばかりで、我々の力で白山砂防について、周りの方にどれほど感心を持ってもらえたか心配です。
 やはり、いろいろな現場に出向いて、現地で専門の先生にご登壇いただき、又その事業所で実際は働いていらっしゃる姿をみることは、市民の代表としてありがたかったです。そんな訳でせめて、その講義の要約をつくり、ホームぺージで、山を検索した方や、国土交通省を検索された方が、偶然開いたページで、砂防特派員の活動の事を見つけて、掲示板を通じて、ひろい年齢、職業、環境の方の意見を取り入れられたら・・・と思った次第です。
 又、ブナの原生林や、手取川の水棲生物の先生方、白山ろくの生物の専門、ダムの話など、学びたくても、どのような先生がいらっしゃるのか、どうして良いかわからない方も多かったと思いますが、砂防科学館の山田さんのご尽力で、何とか私たち専門分野外の女性でも、とっつける内容に仕上がったと思います。(残念ながら、それぞれの講師の先生のホームページ成り研究にリンクすることは出来ませんでしたが。)  もっともっと、講義を受けた内容について、レポートをいっぱい提出したり、試験のようなものがあっても、確実にどのくらい理解できたか調べるには良かったのでは?第2期募集の方のステップアップに・・・・と思いました。
 しかし、第1期の私たちは、「気楽に気楽に」といってくださった、金沢河川国道事務所の皆さんには、感謝しています。
 私事ですが、研修に皆出席出来なくてすみません。
 最近、鈴見のトンネルを親子で、通って見たり、金沢河川国道事務所の方々が、ひろく市民の意見を聞こうとなさっている姿が、良く見えます。山あり、ダムあり、市街の交通渋滞・道路整備ありで、業務は大変でしょうが、私たちは、全面的に信頼して協力しますので、これからも益々、より良い環境の為頑張ってください。 一年間本当に有難うございました。



白山千蛇ヶ池での記念撮影
白山千蛇ヶ池での記念撮影


一年の活動を振り返って

S.N

 「白山砂防女性特派員募集」に応募して早、一年を迎えました。
 最初は不安でちょっとドギマギでしたが、「流域対策課」と、その関係各位の皆様方が、親切に対応して下さり、気持ちがリラックス出来ました事に感謝いたしております。
 「第1期生」としてお役に立てたのかはわかりませんが、私自身は、とても勉強になりました。参加出来て本当に良かったと思っています。
 私は「砂防」や「防災」とかの言葉は知っていてもどこかで直接関係ないように思っていたのですが、この一年間の学習やイベントに参加させて頂き、ずい分考えが変わりました。
 身近な所では、日常のネットワークや備えの大切さを知りました。人との集まりが苦手で覚えの悪い私は、人の名前と顔が一致しないままでしたけれど、皆、和気あいあいとして楽しそうでした。
 感心したのは、ほとんどの方が会社等に勤めていて、何某の形で砂防に関連した若い方達だった事です。中高年の私を含め専業主婦は(ハッキリは知らない)2,3人程度の様でした。
 若い世代が頼もしく思えました。

  1. 第一回の始まりは「白山砂防科学館」にて「白山砂防について」の講習と映画鑑賞「昭和9年の手取川大洪水」外、2本(メガネ)を掛けて見ると魚が飛び出すシーンもあって皆でキャーキャー。そして、現場関係者以外は進入禁止の、一番大掛かりな(中飯場砂防工事現場)を見学させて頂き(白山柳谷上流・甚之助・別当谷=砂防堰堤群)などで説明を聞くほどに大変で大切な工事だとの思いを強くしました。事務所内では、「監視カメラ」や「光ファイバー」の話も聞きました。
  2. 一番遠くでは、新潟県の長岡市。日本一の長さと3番目の広さを兼ねた信濃川は、越後平野を洪水から守っている「大河津分水」のお蔭で悠々と流れているのを、この眼で見てきました。
  3. 「白峰村の暮らしと歴史」「桑島雪だるまつくり見学」の時、私は風邪を引いて出席出来ませんでした。
  4. 白山地域の植物特性に関する学習会、手取川に生息する動物に関する学習会などを、著名な先生方に来て頂き、教わりました。
  5. ブナオ観察舎では、自然の動物の足跡や、カモシカの姿なども見る事が、出来ました。
    ・(調査班・イベント班・ホームページ班)
     チーム作りとして三つの班が誕生したけれど、遅くできたので余り活動できませんでした。「第二期生」に期待しています。
    ・サイトのマスコットに私の(さぼちゃん)が選ばれて、ちょっと照れ臭いけれど、嬉しかった。
  6. 手取川ダム管理支所内の施設見学では、色々な設備に感嘆の声を上げました。 水底の監査路見学では、ずい分階段を下りた気がします。普通は見学出来ない所なのでラッキーかな!意外と中は広くてきれいでした。
  7. 石川海岸の松任CCZでは、離岸堤の沖出しや、人工リーフなどを教えて頂きました。魚を釣る人たちの為にも危なくないように整備をしていました。
    ・土砂災害防止広報キャラバン隊として参加。得難い体験でした。
  8. 台風により中止になりました。
  9. 手取川源流域調査「砂防施設と自然との関わり」を学ぶ為、白山登山をまるごと体験しました。
    「白山砂防女性特派員」18名の内、1名の方は(子供の病気の為)残念ながら御一緒に出来ませんでしたが、関係スタッフ9名、総勢26名の大所帯で夏の白山を満喫。天候も良く、皆の笑顔も最高でした。
  10. そして、ついに最終の研修会となりました。
     8回目の時、台風の為、中止になっていた「尾添川流域現地調査」で(瀬戸・御鍋・蛇谷下流・中ノ川=砂防堰堤群)等にも、色々な施工方法や型が有り、用途によって変えてある事を学びました。
     「源氏蛍」の生息地では、自然を残したままでの堰堤工事現場も見学しました。今回は尾口砂防出張所の案内と説明で終えることになりました。大勢の方々にお世話になりました。沢山の資料も頂きました。これからも勉強を続けて行きたいと思っています。
 本当に有難うございました。



さぼちゃん
白山砂防女性特派員
マスコットキャラクター・さぼちゃん


砂防女性特派員になって

K.T

 解説活動のため白山に登る機会が一年間に数回あります。そのたびに中飯場から見える堰堤工事の様子が気になっていました。見栄えも悪い堰堤をあんなに多く造らねばならないのだろうかとの思いでした。そんな折、砂防女性特派員募集という新聞記事を目にし、砂防について教えていただこうと思い応募しました。毎月一回の研修はいずれも楽しく、おかげさまでいろいろな所に見学に連れて行っていただきました。中でも、手取川ダムの堰堤の中に長い階段を下りて入っていったことがとてもスリルがあり、この堰堤が壊れたら!なんて、アクション映画の一場面のような気がするほどスケールが大きく、緻密に水の流れを考えた水路に感動しました。心臓部だというコンピューターの集まりのような部屋。大きい手取川ダムがこの小さな部屋で管理が出来危険も予測できると聞き、その先端技術に感心しました。
 信濃川流域の大河津分水路の見学では明治42年に人工の川を造り洪水から民家を守ったと聞き、人間の力はすごいと思いました。魚道も見ました。雨上がりということで水はにごっていましたが、ヤツメウナギのような魚が元気に泳いでいるのを見て楽しかったです。石川県でもどこかで魚道を見学できるところがあると楽しいと思います。
 中飯場や尾添川の砂防工事見学では、それぞれの工事の目的や役割を教えていただきました。それでも堰堤だらけの谷の風景は「すばらしい」とは言えません。もっと景観に配慮した砂防工事ができないものでしょうか。
 7月30,31日は白山登山に行きました。朝のうちはお天気が危ぶまれましたが甚之助当たりから晴れてきました。室堂に着いたときにはすっかりと晴れ上がり、雲海のかなたにすばらしい夕日を見ることが出来、深い感動を味わいました。このすばらしい白山をいつまでも守ってほしいと思いました。
 この一年間、白山にいて砂防の面からいろいろ勉強させていただき、ありがとうございました。これからの白山登山では砂防について学んだことを思い出し、解説活動に役立てたいと思います。



白山甚之助避難小屋にて
白山甚之助避難小屋にて


Y.S

 私は単純に山が好きという理由だけで女性特派員に参加しましたが、本当に充実した学びの場を準備していただき心から感謝しています。
 最初のころ、上流のごつごつした岩が川を流れ下るうちに角がとれ丸くなるように、山が崩れることは自然のことであり、雨が降れば土砂が流れることがそれほどに大きな問題と捉える事ができませんでした。自然のままで何故いけないのかとも思っていました。
 それは多分、土砂による災害はテレビなどをとおしての遠い地方の事であり、実際に災害に遭ったことがなかったために、感じることができなかったのだとおもいます。
 これまで10回の研修会を通して、私達の暮らしを守るために砂防事業がとても重要なことを学ぶことができました。
 日本の河川は上流から河口までが短く、傾斜も急であることから大雨などによる災害の発生時間がとても早く、そのため被害も甚大なものになります。大陸などにはない、島国日本特有のことだそうです。
 山へ行くと必ずと言っていいほど砂防堰堤を見ることが出来ます。堰堤の必要性を知らずに、景観が悪いと眉をしかめる人もいます。
 土砂災害によって被害が出た時に、砂防工事で何故防ぐことができなかったのか、天災でなく人災ではないかという意見を耳にしたこともあります。
 私達はこのように平和に暮らせる事を、ごく当たり前と思って生活してきました。 今、1年の学びを終え、これからどのように役立てていけばよいのかと考えてみました。
 私達の暮らしている環境を自ら積極的に学ぶ。‥手取川の扇状地にすんでいる等。
 災害が起こった時の情報を集める。‥何_の雨が何時間で出水など災害の恐れ等。
 災害が起こらない、または最小限にする方法を学ぶ。‥白山女性特派員?
 そして、防災事業に積極的に参加することも付け加えたいと思います。
それは、国の行なう事業をそのまま受け入れるのでなく、私達1人1人がどのような姿の川を残したいのかを考え、それを意見として言うことができる場がある、ということです。できれば、子供には早いうちに学ぶ場をもたせたら良いのではないでしょうか、自分達を守るための事業を知り、さらに新しい考えを学ぶことは未来を担う子供にとても良い教育になると思うからです。
  1年間ほんとうにありがとうございました。



エゾシオガマ
エゾシオガマ
(白山別当覗き付近)


白山を思うこころ

Y.K

 白山砂防女性特派員になってから、以前にも増して白山に関する情報に敏感になり、石川県内はもとより日本中に学術的なことから宗教的なことまで、白山にいろんな思いを寄せている方がいらっしゃるのだと感じました。
 私が砂防に興味を持っていたのは、嫁ぎ先が白峰で建設会社をしており、白山のことも土木のことも何も知らなかった私は、昔の砂防の偉業に感動したり、現在の砂防の苦労や工夫を目の当たりして熱くなったり、これからの砂防の進歩に感心したりして、砂防に対する思い入れが段々と深くなっていたからです。
 また、私はアウトドア派ではありませんが、せっかく白山麓の恵まれた自然の中で子育てをしているのだからと、川遊びや虫取りや天然のプラネタリウム、市の瀬ビジターセンターや恐竜パークへのドライブなど、白峰の暮らしを子供達と一緒に楽しんでいます。
 白山をまるごと、植物や生物、地名や天気、砂防など家業のこと、欲張るときりがない興味ですが、これから子供達と一緒に目を輝かせて学んでいけたら、愛していけたら・・・これが私の白山に対する思いです。
 白山砂防女性特派員として、甚之助や中ノ川、手取川ダム等、普段は立ち入りが許可されない場所や、大河津分水のような遠方の施設を見学し、毎回とても楽しく参加させていただきました。また、白山の自然のこと、手取川のこと、災害の歴史など、興味深く学びました。
 そして、崩れやすい山である白山と手取川の恩恵の中で暮らす大勢の人々が、尾口側、白峰側両上流から美川の河口まで、それぞれの環境の中で安全に豊かに共存していく姿勢、みんなの思い。
 それらを守る砂防事業、治水事業は決して人間の驕りではなく、たった今、発生する危険度の高い災害に備えておかなくてはならない必要不可欠な手段だということを実感しました。
 しかし一方で、ここで生活していない方たちの中には、そういった事業は美しい自然を破壊し、ただ景観を損ねているだけだ、長いスタンスで考えると無益なものだという考えに固執している人達も存在します。
 確かに白山は素晴らしい山です。絶滅危惧種という言葉を聞くと、なんともいえない焦りを感じます。だからといって、自分の家や家族が、流域全ての人の生活全てが昭和9年の災害時のように濁流に飲み込まれていくなんて許せるはずがありません。
 先日読んだ朝日新聞の切り抜き、白山の美しい花々を撮ることで有名な写真家、「昔の人は災害に遭う覚悟ができていた。砂防は不要だ。」・・・高山植物の写真はもはや美しくなく、私は憤りを抑えられませんでした。それなら、あなたも地すべりが危険な地区で、砂防を頼らず、子供と暮らして御覧なさい。財産全ても、子供までも濁流に飲み込まれても、覚悟していたからで済ませられるのですか。近年だって、そういう災害が人命を奪っているでしょう。その当事者の方に向かって、あなたはなにかおっしゃることができますか。
 そこで生活する者の気持ちは、実際に生活してみることでしか実感できないと思います。それができなければ、もっと思いやりを持った心で万物を見ることです。一番いいときの白山しか目に入らない人達は、私達の歴史を尻目にここに住むなとでも言うのでしょうか。
 昭和9年の災害は、過去の出来事として風化させてはいけません。多くの尊い命を犠牲にしてまでも学んだことは尚更です。白峰村をはじめ、手取川流域の皆同じ気持ちだと思います。
 今でも梅雨の時期は雪解け水と大雨で手取川は異常な水嵩、白山公園線は通行止めですし、ものすごい勢いの茶色い濁流が上流のどこかで土砂が崩れたことを物語ります。工事中の現場の(砂防とは限りません)必死な対応は危険と隣り合わせ、判断ミスは生命をも奪いかねません。
 だから、私達のこのような思いを知っていただいた上で、そういう人達の山を愛する思いも受け入れ、お互いに自分達に見えない視点の意見に耳を傾けられたらと思います。私達だって高山植物などの自然が美しい白山を誇りに思っているのですから。
 一緒に白山を見守りながら、一緒に白山に見守られて生きたいと願います。
 フォーラムのような機会で多角的な意見がミックスして、白山を守る最善の手立てに結晶するのは素晴らしいことではないでしょうか。いろんな方が理解を深める、貴重な学びの場だと思います。
 最後となりましたが、国土交通省の方や他の特派員の方と知り合うことができ、 第1期白山砂防女性特派員の一人に採用していただけて本当にありがとうございました。
 マップ班で、和気あいあいと掲載地を検討したり見学に行ったりして作った地図の出来上がりのすばらしいこと(プロの方の手が加わるとすごいって感動)。
みんなで集まって地すべりフォーラムに向けての準備など、学生の時にした班活動のように時間が短く感じられ、任期終了を迎えるのが残念なくらいです。
 心残りといえば、「最高に恵まれた白山登山」に参加できなかったことと、語り草になっている白峰の豆腐尽くし料理が戴けなかった事です。(笑)
 一緒に活動することがなくなっても、それぞれの場所で白山を思うこころを育んでいって頂きたいと思います。いつかまた、こころを持ち寄ってお話しましょう。



白峰村西山での取材
白峰村西山での取材
(グループ活動・マップ班)


1年の研修を終えてそして今後への提言

M.M

 自然の豊かさ故に土砂災害の危険性をもち人命をもあやめる白山を砂防事業によって守る姿を私達白山砂防女性特派員の目で見、体で支援する目的で研修を重ねもはや任期を終えようとしている。47,700haの面積を有し雨も多く雪も多いという「白山」ユネスコの生物圏保存地域に指定され四河川の源となる日本三名山の一つ「白山」は110万県民の生命をも守っている。しかし雨は土砂災害の原因となり雪解水は川底の石をも動かす力を持つ。大正時代より県・国が堰堤工事を行っている。大崩壊も数ヶ所あるが、災害時は堰堤場所は小難で納まっている。しかしその堰堤ですら17年間に4.43m移動していると聞く。地すべりは全国的にもまれな高山地で今尚活発という。こうした現実を絶えず勉強し一人でも多くの方々に知らす必要がある。
 信濃川研修、手取川流域見学等々、とても有意義な研修だった。今後は更に県外の砂防員との交流や白山の恩恵を感謝する気持ちで登山あるいは周辺の視察をされる様望みます。
 貴重な体験をする事が出来感謝申し上げます。



百万貫の岩
百万貫の岩


白山砂防女性特派員の一年間

N.K

 はじめは、なにもかも知らない、わからない世界でした。
 たまたま、白山の流域を勉強するチャンスに巡り会った私ですが、今思えば、なぜか白山麓に心引かれる思いがあったのは、一年間に10pも動いている地すべりの現実や、四季折々の美しかったり、醜かったりする白山の自然をもっと見た方がいいという自然からの警告だったように思えます。
 次世代に大切なことを伝えなくてはという思いでいっぱいです。
 後半の白山登山や、グループ活動では学んだことを自分のなかに取り込むことができました。もう少し特派員として活動したい気持ちはありますが、いろいろな場所で、私たちの活動してきたことを発信していきたいと思います。
 第2期の特派員の方には、マスコミにより誤解を受けている公共事業のことなども、人命・財産と白山のみならず、日本全体をながめ、そしてやがては地球規模で考え、砂防事業など大切だということを学び、多方面に発信していただきたいと思います。
 つい最近の土砂崩れの時にも、報道のテレビアナウンサーが砂防事業のことなどわからないような話を聴視者のまえでしゃべっていました。
 リアルタイムで道・山・海が観察できるようになっていることさえ知らない人がたくさんいます。
 せっかく作ってある施設をもっとたくさんの人に知ってほしいと思います。



白山甚之助谷砂防堰堤群
白山甚之助谷砂防堰堤群


K.A

 平成14年10月11日の白山砂防女性特派員委嘱状交付式からあっという間の一年でした。毎回の研修会では見ること学ぶことが新しいものばかりで驚きの連続、同じものを見ていても様々な見方をしている特派員に感心することもしばしばありました。特派員になってから、白山を今まで以上に好きになり、また他県でも土砂災害のニュースに関心を持つようになりました。特派員の活動は当初は見学会だけで終わるのかと思っていましたが、途中、班にわかれ、グループ討議をするようになった頃から、特派員同志の交流も深まり、意欲がわき、活動がとても楽しくなりました。特派員の方々と親しくなった頃に活動が終了するのは、とても寂しい思いですが、今後も一年を通して砂防を学んだこと、感じたことを復習し、引き続き特派員の方々と交流する機会をもつことができればと思います。遠くは新潟県の大河津資料館・新洗堰の見学、白山の春夏秋冬にふれながら、海岸、手取川なども見学し、充実した一年でしたが、奥飛騨女性砂防サポーター・立山砂防女性サロンの会などの他の団体の方々と活動を聞く意見交換会を実現したかったです。
 自然を守りながら人間の暮らしを守る重要な役割を果たしている砂防に携わっておられる関係者の皆様に敬意を表し、私も白山砂防女性特派員として関わることができたことをうれしく思います。



白峰村・緑の村と白山
白峰村・緑の村と白山


砂防研修を終えて

K.M

 「白山が大好き、というただそれだけで応募しました。選定いただきましてありがとうございます。」と委嘱状交付式で挨拶した記憶が、昨日のように蘇りますが、あっという間に一年が過ぎ去ろうとしています。
 研修で、信濃川大河津分水を見学に訪れたときには、豊かな穀倉地帯の越後平野がかつて度重なる洪水被害に見舞われ、その災害を防止するために増水した水を日本海に流すという大工事が行われたという事を知り、その発想と高度な技術で完成された分水路堰堤に目を見張りました。
 又、白峰村長さんを囲んでの研修では、白山を源に豊かな恵みを人々に与えてくれる手取川が、時には豪雨で猛威を振るい、昭和九年には大洪水が発生し、地域住民を恐怖のどん底におとしいれた驚異的・壊滅的であったいうことを、研修事前に渡された「聞きがき抄・白峰村水害誌はくさんおんせん」を読むことで、それまで、私の中でおぼろげな情報でしかなかったものが、その実態を知ることが出来、意義ある研修になりました。
 そして、全員が無事に登頂できた白山登山も思い出に残る良い研修になりました。高山植物や景色ばかりに趣を置いていた今までの登山とはうって変わって、研修という学びもプラスされた今回の登山を終えて、霊峰白山を想う気持ちがより一層深くなりました。
 又、金沢河川国道事務所を始め、白峰砂防出張所、手取ダム管理所などの見学研修ではCCTVカメラや各種センサー類の最新のIT技術が活用され、万一の災害に備えた整備局の取り組みには目を見はるものがありました。
 「平野を治めんと欲すれば、山と川を治めよ」の言葉どおり、研修を終えて、今、思うことは、災害のない平和で安全な日常生活を送ることの出来るのは、猛威を奮う天災に対してその損害を最小限にくい止めるための、砂防・治水施設が如何に必要であるかという認識を改めて知ることが出来、とても有意義でした。
 又、日程については土曜日を含めたものにすれば、より一層幅の広い人達の参加で行えるのではないかと思います。研修期間についても一年ではなく、二年にしたほうが良いのではないかと思います。この一年の研修では表面的なものしか掴むことが出来なかったように思いますし、出来ることでしたら、他の砂防施設も見学をしたかったし、さらに、もう一年、奥深く学びたいと私自身強く望んでいます。
 最後に、今期の研修にあたり毎回、大変細やかな点までも気配りがなされていたことと、とても、有意義であったことにお世話いただきました皆様方に厚くお礼申し上げます。



白山柳谷の崩壊状況
白山柳谷の崩壊状況


1年間白山砂防女性特派員として活動してきて

M.T

 私は、金沢で育ったにもかかわらず白山についてほとんど知りませんでした。白山に登ったことがないし、どんな動物が生息しどんな植生なのか知りませんでした。また、あんなに山深い所で砂防工事が行われていることも知りませんでした。白山砂防女性特派員として1年間活動・研修してきて多くのことを学びました。
 これまで、砂防堰堤は土砂の流出を防ぐだけがその役割だと思っていました。しかし斜面の崩れを防いだり谷が深くなるのを防ぎ山を守っていること、そして、何より、白山麓や下流域に住んでいる人々の生活・命を守るというとても重要な役割を担っていることがわかりました。砂防堰堤も土砂をせき止めるものばかりでなく、土砂の量を調節し、下流に流すジャングルジムのような格子状の堰堤もあり、下流の土砂の減少を抑える工夫をしていることも知りました。
 最初は学ぶことで理解を深めることに満足していましたが、徐々に学んだ事をもっと多くの人に知ってもらいたいと思うようになりました。HPの開設やイベントへの参加を通じて、女性特派員の活動を通じて学んだ事、土砂災害のおそろしさ、砂防工事の大切さ・重要さを広める活動に少しでも携わることができ、良かったと思います。
 また、手取川の下流や、徳光の海岸での研修からは、自然について考えるには、局部だけを見ていてはいけないことも学びました。砂防について考える時には、その下流に流れていく河川、そしてその水が注ぎ込む海についてまで、トータルで考えなければならないと教わりました。
 一番印象に残った研修は白山登山です。最初は行きたい!!という気持ちだけでしたが、だんだん本当に頂上まで登れるのかという不安と美しい白山への期待が入り混じった複雑な気持ちになりました。でも、初日の午前中に雨が降ったものの天候にも恵まれ、夕日、雲海、満天の星空、ご来光と最高の景色を見ることができました。また、かわいい花がたくさん咲いていたのにも感激しましたし、谷野さんがいろいろな植物を紹介してくださったおかげでとてもわかりやすかったし、様々な植物を知ることができました。
 また、いつもの活動は日帰りでしたが、今回は初めて1泊での研修でしたので、よりいっそう特派員の皆さんや事務所の皆さんと親しくなれたのが何より嬉しかったし、とても楽しい時間が過ごせて本当によかったです。



百万貫岩の取材
百万貫岩の取材
(グループ活動・マップ班)


M.N

 私は「白山砂防女性特派員って何?」と、?(クエッション)からのスタートでした。委嘱状を頂いてから、白山が大変危ない状態にある事がその時初めて知りました。過去に1度白山登山したことはあったけど、登山道だけを見て歩く、余裕のない登山でした。静かだなぁ自然だなぁと感じていた記憶がかすかにあります。砂防にも無知で、ただ、子供の頃に家の近くに砂防ダムが建設されることを知り、"家がダムの底に沈んじゃうの?"って両親に聞いたことがあっただけで、私の人生の中で関係のない事のように思っていました。
 こんな思いでスタートした私、白山砂防女性特派員として、いろんな現地見学に行ったり、たくさんの先生方の講義を受けさせて頂いたり、土砂災害防止月間にはキャラバン隊として参加し各市町村を訪問させて頂き、土砂災害はなぜ起きるのか、そして私が唯一知っていた砂防ダムとは何か、何故必要か、どういう場所に造られるのかが、少しずつ分かってきたような気がしました。また、石川県民なのに昭和9年の大災害を知らず、白山砂防女性特派員になって初めて知りました。土砂災害とは、いつどこで起こるか分からないと言う恐ろしさを感じました。やっぱり砂防堰堤は、必要不可欠だと常々感じました。
 しかし、白山砂防女性特派員での白山登山の時には、甚之助谷の砂防堰堤がその谷に何故必要と勉強していながらも、でも登山者の立場で見ると想像以上に人工的に見えてしまいました。自然じゃないなぁって・・・。でも、人工的に見えるかもしれないけど、この砂防堰堤のお陰で今まで何事もなかったのはないでしょうか。
 だから私は、白山砂防女性特派員として、この1年間学んできた、砂防堰堤ができた歴史や必要性、白山の自然のすばらしさをこれからは一人でも多くの方に、少しでも多くのことをPRできたらいいなと思っております。
 そして、私たち白山砂防女性特派員にご説明くださった先生や職員の方々、そして白山砂防女性特派員の皆さん、私を支えてくれた金沢河川国道事務所の皆様に感謝の気持ちでいっぱいです。1年間、本当にありがとうございました。



土砂災害防止広報キャラバン隊
土砂災害防止広報キャラバン隊
(白峰砂防出張所にて)


H.N

 毎回いろいろな方のわかりやすいお話や、たくさんの資料をいただき、また日頃簡単に見ることのできない施設を見学でき、たくさん勉強させてもらい、ありがとうございました。
 土木関連業務についているのに日頃現場にでることがなく室内で土いじりをしているだけなので毎回楽しみでした。
 それに白山登山や、チームでの話し合いでいろいろな人とふれあえ楽しかったです。
 やはり昭和9年の大洪水のインパクトは大きかったです。  災害は忘れたころにやってくる。この言葉もずしりと響きました。  環境への配慮やいろいろ工夫を重ねながら、人々の安全を守る事、他役立つ事業をされていることをみせていただきました。
 ほんとはこれをいろいろな人に伝えていかねばならないと思いますが、なかなか難しいので砂防科学館をすすめています。
 本当はもっと近くで見たいと思いました。できればあの堰堤の上に立ったり周りをくまなくみてまわりたかったし、どんな草がはえていたりどんな動物がどんなふうに活動しているのでしょうか。
 堰堤は彼らにとってどんなんでしょう。
 もともと体育会系の私は体を使っていろいろ感じたかったです。
 1年は早いもので毎日慌しく過ぎて行き、アッと言う間に終わってしまいました。  思い残すことは多いですが、今後の活動や自然への考え方の糧となると思います。  この特派員の試みがどんどん発展してゆき、砂防界を揺るがすようなアイデアがでたりしたらおもしろいですよね。やっぱり女性がいいのでしょうか?暇な?おじちゃん、お兄ちゃん達もおもしろい人がいっぱいいますが・・・

GOOD LUCK 白山女性特派員!



白山砂防科学館
白山砂防科学館


C.Y

 この1年間砂防に関連する施設や堰堤等を見学、学習し、自然保護、生態系保護、人間の生活保護、これらをバランス良く保つ難しさを知りました。
 人間優先の生活から自然、地球全体が異変してきている実態を一人でも多くの方が認識しみんなで考えていかなくてはいけない問題だと痛感しました。
 実は今までも新聞やTV等から感じていたのですが今回特派員として参加、学習したことによってより更にもっと身近に「危機感」を感じました。
 又、参加メンバーを始め、関係者の方々すべてがとても暖かで優しく、全員が一丸となって楽しく学習できたことをとても感謝しています。
 みなさん、有難うございました!



白山五葉坂にて
白山五葉坂にて


白山砂防女性特派員を終えるにあたり

K.Y

 月日の経つのは早いもので、白山砂防女性特派員の任期が後わずかになってきた。
 都合で委任状交付式に出席できず、いただいた名簿を見ても知った方がわずかで少々心許なく、1回目の現地見学会に参加した。しかし、参加してみるととてもよい方々で杞憂にすみ、どの方も「自然が好き」「白山が好き」という方ばかりで、今までの自分の友とは違う趣味を持っている方が多く、今までにない「もの」が吸収できそうで心が弾んでいった。
 研修会・見学会と参加し、いままでにない「もの」のひとつに砂防がでてきた。私は建設会社に勤務し、会社も砂防工事を施工しているが、今一砂防工事の目的等が理解できなかったが、特派員になり工事現場見学や砂防工事についての勉強会などを通して砂防の必要性が解り、砂防がもっと身近に感じるようになった。砂防工事以外の工事現場も興味深く、工事についての話を色々聞くと今までとは違う見方で現場を見ることも出来るようになった。私にとって参加して良かったことの一つだろう。
 私にとっての一番の「もの」は白山登山だろう。「すばらしい」と言う言葉が陳腐になるくらいすばらしかった。他の方の様に虜になるには少々遠い気がするが、でも白山に登ることが出来て本当に良かった。(回りの方には、迷惑をかけ通しでしたが)自然の美しさや雄大さが自分の「もの」となり、そして白山の中で砂防工事を施工する人達、登山道を整備施工する人達といった方々に支えられて今の自分の生活が成り立っている事に触れ白山登山は自分の中で大きな「もの」になった。たぶん私は、この機会がなければ、白山は遠くから眺めるだけの存在でしかなかっただろう。私に白山登山のきっかけを作ってくれた白山砂防女性特派員に感謝をしたい。ありがとうございました。
 白山砂防女性特派員の研修会で行った新潟県の大河津分水もよかった。大河津資料館では昔の人の生活の大変さを忍び、人が自然に向かっていく力強さを感じた。資料館はハイテクを使い解りやすく親しみの持てる展示館で、見学をしていてもとても楽しく「又来たい」と思わせる施設でもう少し時間が取れるともっと良かったと思う。又堰の中での魚道見学や堰の上からの川の流れにも感動した。石川県内の大土木工事の一つに手取ダムがあると思うが新潟県の大河津分水の事は知らなかった。あんな大土木工事の事を知らないとは恥ずかしいことだ。もっと色々な大工事場所や資料館等も見学したかった。
 冬の間の勉強会は手取川や白山の動植物の学習会はとても意義のあるものだった。  私にとって興味深い勉強会は白峰村長の白峰の歴史で同じ白山麓の住民として考えることがあった。近くに住んでいても隣村の歴史は知らないものだ。(尾口の歴史についても知らないから感じることがあるのだろう。)
2 5日の地すべりフォーラムで1年間の活動期間が終わる。長いようで早かった1年だった。1年間のまとめと言う意味でうまく出来るといいと思う。
 貴重な体験と大事な「もの」を手に入れることができてとても楽しかった。白山砂防女性特派員に参加することができて本当に良かった。
 最後に、金沢河川国道事務所の方々にも大変お世話になりました。ありがとうございました。



手取川ダム管理支所見学
手取川ダム管理支所見学


白山砂防女性派遣員の活動を終えて

N.Y

 昨年の10月に白山砂防女性特派員の委嘱状の交付式に出席し、他の特派員の皆さんの白山あるいは砂防事業等に対する積極的な意見に未熟者の私は圧倒され、少なからず不安を感じていたことがなつかしく思い出されます。
 数々の研修は、私の日常生活では触れることのできない場所だったり、施設だったり、学習内容だったりと毎回驚きと感動でした。今さらながら全部の研修に参加できたらよかったと残念に思っています。
 印象深かったのは、第4回研修会の白山地域の植物特性に関する学習会でした。日頃、畑や家の周りの草むしりをしていて、むしっても、むしっても生えてくる草たちを恨めしく思っていました。しかし、自然裸地に形成される最初の植物社会(フジアザミ、オオヨモギ群集など)が崩壊地の侵食を抑える上で、大きな役割をもっていることや思慮の足りない植林、緑化がかえって植生に二次的災害をもたらすことなど植物のもつ重要な役割を知ることができました。その上、植物分布・植生調査が手作業で行われていると知り、二度びっくりしました。
 また、移動に大変時間がかかりましたが、新潟県の大河津分水路を見学できたことは、私にとって貴重な経験でした。現在、穀倉地帯として、また北陸地方の中心として栄えている新潟県にこのような水との大変な係わり合いがあったとは想像もつきませんでした。膨大な時間、お金、労力等を費やして整備されてきた治水事業は新潟県民にとってはなくてはならないものだったでしょう。
 これらの研修を通して私たち白山砂防女性特派員は砂防事業の大切さをいろんな方面から学んできました。しかし、必要だから、大切だからといって何をしてもいいというものでもないし、どんな手段でもかまわないというものでもありません。たとえば、自然の中に溶け込んだ形、材料、色などを研究し配慮する努力をしていくことは大切です。施工方法も自然破壊を極力避け、最善のルート、場所等を考え、周りの一般の人達にも配慮した工法等も研究していかなければならないでしょう。そして、それらの努力をいろんな人達に知ってもらい、理解してもらえるようアピールしていかなければならないと思います。
 各種行事にあわせた街頭でのPR活動、HP上での意見交換、各種施設(現場等)への見学会の実施等広報活動にも力を入れるべきだと思います。実際に目で見、体験することによって砂防事業に対する理解は今まで以上に高まると思います。私たちがそうであったように・・・・・
 今後、新たに第2期の白山砂防女性特派員を募集し、活動していくのでしたら、新たなメンバーということで新しい発想も出てくるとは思いますが、第1期と同じ過程で進めばわずかな飛躍しか望めないと思います。第1期の実績、反省点の上に立ってそれらをおおいに利用して、更なる前進を望みます。
 例えば、第1期と第2期の意見交換会や折角立ち上げたHPの充実、散策コースの充実と広報活動それに伴って散策コースめぐりの実施、小学校高学年、中学生を対象とした見学会・意見交換会の実施等々考えればいろんな企画が出てくると思います。
 私たちがやり残したこと、そして私たちが想像もしなかったことなど第2期の人たちには積極的に活動してもらいたいと思います。私たちもHPやその他の情報源からその活動を見守り、時には参加しながら応援していきたいと思っています。
 1年間という短い間でしたが、年齢も立場も違う様々な人達とともに考え、ともに活動できたことは何物にも変えがたい貴重な経験だったと思っています。この活動に際しましてお世話になった方々には感謝の気持ちでいっぱいです。任期が終了したからこれで終わりというのではなく、今後、末永くお付き合いしていければと思っております。これからもよろしくお願いいたします。

P.S.
今後、第2期の白山砂防女性特派員を募集するのかわかりませんでしたが、勝手に募集することを前提として書かせていただきました。もし、そのような予定がない場合はお許し下さいますようよろしくお願い申し上げます。



白山砂防現場見学
白山砂防現場見学


一年間の活動をふりかえって

T.T

 昨年10月に委嘱式があってからあっという間の一年で、特派員としていろんな講演を聞いたり、砂防工事現場等へ行ったりすることも、もう無くなるのかと思うとちょっぴり寂しいです。当初は、「特派員」になってどんなことをするのだろうか、自分に何が出来るのだろうかとちょっと不安に思っていましたが、今ふりかえってみると、実際には、何かをしたというよりは、白山について学ぶ時間を自分に与えてもらった貴重な経験だったと思います。
 研修では、砂防事業のことだけでなく、白山の自然や歴史、手取川流域のこと、さらには日本海に至るまでのいろいろなことを実際に自分の目で見て、多く方々のお話や特派員のみなさんの意見・感想など聞くことができてとてもよかったです。身近に潜んでいる白山の自然災害の怖さ、それを防ぐための大規模な工事の大切さが特派員になるまでは、考えたこともありませんでした。この無関心さ、無知なことが災害を引き起こし、その被害を大きくしている要因のひとつではないかと思いました。
 また、砂防堰堤などの必要性のわからなかった時は、自然破壊に見えていた砂防工事も、実は自然に崩壊してしまう山を守っているのだということを学び、実際に自分の目で砂防堰堤のない谷では崩壊が進み山肌が見え、すぐにでも大きな災害につながりそうな現場を見て、砂防堰堤のある谷では多くの木々や草花が生えて、山が安定している様子を見て、砂防事業の重要性を実感しました。しかしながら、土砂災害防止のために必要な砂防堰堤も、人工的な構造物と周囲の自然・景観との調和や、自然の生態系との調整など、まだまだ砂防工事を行っていく上での課題は多いと感じました。
 この一年で砂防について学んだことを、どんな形で生かしていけるか、また、身近な人たちにどのように伝えたり、わかりやすく説明したり、どうしたら理解してもらえるのかが、「特派員」になった今後の自分の課題であり、務めなのかなと思います。
 最後になりましたが、金沢河川国道事務所のみなさま、白山砂防女性特派員のみなさま、この一年大変お世話になりました。ありがとうございました。


今後改善してほしいこと

 1年を通して研修日が決まっていた方が、参加しやすいのではないでしょうか。もし、決められないようであれば、前の回の時に、次回の日程や研修内容が決まっていたら(その場で決めてもいいかも)よかったなと思いました。
 砂防工事の現場見学では、実際に遠隔操作している様子などを見たかったです。砂防工事の特徴的なところや、現場作業の大変なところなどを作業に携わっている人に聞いてみたかったです。
 グループ活動もそれぞれのグループ分けを早い時期に決めて、グループ活動の時間がもう少しあったら良かったと思いました。
 白山登山は私には本当に大変でしたが、白山の自然にも触れられるし、砂防堰堤や崩壊の様子も間近に見られるので、是非今後も行ったら良いと思います。




冬の白山
冬の白山


「白山砂防女性特派員」で活動して

E.S

 「白山砂防女性特派員ってなんだろう?」というところから、始まった一年でしたが終わってみるとあっという間でした。特派員になって学んだこと、知り合えた人、貴重な体験・・・ 振り返って考えてみると、長くて短い不思議な1年だったけれど本当に奥の深いいろんなことを学ばせてもらいました。特別な知識を披露できる程は、自分で成長できたとは言えないのですが、「砂防」という物に対しての自分の考え方は、いろんな点で非常に刺激を受けました。
 今回、砂防に限らずいろいろな事業に対していえる事だと思うのですが、広く一般の方に土木事業の必要性を知ってもらう重要性・難しさについて身をもって感じました。私自身土木に関する仕事についていながら、特派員になって初めて砂防事業の必要性・内容そしてそのことを分かってもらうために、いろんなPRを行っていることを知りました。(もちろん私がもっとさまざまな事に興味を持っていれば知ることは容易に出来たのかもしれないのでしょうが・・・)。
 砂防施設について、刺激を受けたことはまず砂防は山に住んでいる人だけの施設ではなく、その下流に住んでいる人にも大変重要な役割を果たしているということを実感出来たことです。また白山の自然について学ぶことにより、私達はどれほど多くの白山からの自然の恩恵を受けていたかも知ることが出来ました。言葉で聞けばなんとなくそんな気はするのですが、実際白山に行き、学ぶことによって頭と体で実感として感じたことは、私にとって白山の印象はとても変わりました。
 女性特派員と言っても、最初は自分が楽しく学べるけれども、学んだことをどうやって生かして、自分は何を出来るのかは分かりませんでした。しかし道路で砂防のPRを、女性が何人か固まって派手なジャンパーを着て一般の人にちらしを配るだけでも、少しはPRに役にたてたのかな?と思っています。そして以前よりより好きになった白山についてもっと多くの人に知ってもらいたいです。
 一年という任期は、長いと思っていたのですが、終わってみると短くこれから特派員としての活動が出来る時期では??とも思いました。今回で任期は終わるのですが、個人的にも少しずつでいいので、特派員第1期生としてなんらかの形で自分の学んだことを伝えていきたいと思います。2期生については、私達がしてきたことを、さらに広く、深く追求していってくれると嬉しいです。
 今回このような機会に恵まれ、本当に感謝しています。日常生活では、忙しさに追われ視野がいつの間にか狭くなっていたことも、知らない事を知ることにより感じましたし、普段出会わない方々とも仲間になれたことに感謝します。特派員の任期は終わりですが、これを機会に新たに「白山砂防女性特派員」として始めていきたいと思います。








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