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第2回鶴来緑化懇談会

2.指摘事項

1 事業の目的−地域固有の自然植生を活かした道路緑化を目指す−

 平成9年12月に地球温暖化防止京都会議が開催され、我が国としては今後、各方面で地球温暖化対策が求められ、その一環として二酸化炭素等の温室効果ガスの排出削減や、樹木緑化による炭素固定化が叫ばれているところである。
 また一方で、我が国の人口構成は少子・高齢化傾向にあり25年後の平成37年には4人に1人が高齢者の高齢社会を迎えることが確実であり、今後の社会資本整備のあり方については、管理コストを含めた真剣な検討が求められているところでもある。
 このような状況下において、道路緑化に関しては、以前から植樹帯や法面等の様々なところで、高木、低木、草花等が植栽されてきたが、今後はこれまでの人工的かつ画一的な方法だけでなく地域固有の自然植生を活かした道路緑化のあり方が重要になってきている。
 本計画は、このような状況を踏まえ石川県における地域固有の植生を活かした道路緑化のあり方を検討するものである。

2 道路緑化の現状と課題

1)植樹帯の確保
 沿道の環境整備が近年特に重要視されてきたとはいえ、現実には限られた予算のなかで十分な用地確保が困難である。また一般的な植樹帯にしても、民有地と隣接する狭小な植栽幅のなかで、自然植生に配慮した緑被率の高い植栽方法は技術的にも管理的にもかなりの問題がある。
2)地形上の制約
地形が複雑に変化する我が国においては、道路建設に伴い急勾配の法面が多く発生する。これら法面は、沿道景観および自然環境の観点から重要な緑地となるべきところであるが、一般的には外来種の草類による種子吹き付けで緑化された単調な法面が多く、今後は地域の自然環境に調和した緑化方法が求められる。
3)管理費の制約
少子・高齢化に伴うこれからの人口構成を背景とした限られた財源を有効準用するために、今後ますます管理費の節減が求められようとしている。このような状況下で、低コストおよび省力化を図りながら、かつ良好な沿道環境が保てる緑地のあり方が問われている。
4)自然環境の保全
道路緑化が地域の自然環境および自然景観に与える影響は大きい。とくに、連続性を有する緑地形態は地域の貴重な緑のネットワークを形成し、地域のイメージを決定づけるシンボル的空間ともなりうる。今後はこれら緑地が、周辺の自然環境と調和した地域固有の道路緑化が求められる。

草花による沿道緑化

限られた敷地での緑化

一般的にみられる法面緑化

花木による法面緑化

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