金沢河川国道事務所

第3回活動 --平成23年8月5日(金)

  • 白山砂防現場見学

瀬戸砂防堰堤の現場見学

赤岩砂防堰堤の現場見学

  柳谷上流堰堤群      柳谷中流工事の現場見学

  • 白山砂防科学館見学

白山砂防科学館見学

活動感想

山岸】 【松本】 【加藤】 【塚崎】 【三守】 【西村】 【
道脇


山岸】今回は堰堤関係の現場を中心に見学しました。
 堰堤も老朽化し、土砂の堆積量の増加等によりメンテナンスが必要であることがわかりました。
 副堰堤を新たに施工し、既存の主堰堤を嵩上げする工事、現存の堰堤を副堰堤とし、主堰堤を新たに施工する工事など、今ある構造物を出来る限り利用しようとする姿勢が感じられました。 また、堰堤を施工する為に、その工事用道路を施工するするという具合に、一つ一つの工事が独立したものではなく、それぞれの関わり合いをもつ場合もあることを改めて知らされました。
 ところで、1号堰堤、2号堰堤と2基施工する場合と、主堰堤・副堰堤各1基を施工するのでは施工場所の状況にどのような違いがあるのだろうか。機会があればまた伺ってみたいと思いました。
 万才谷の排水トンネル工事は、索道の基礎工の施工場所を見学しましたが、南竜での施工状況は第4回活動時に見学することが出来るようなので、非常に楽しみであります。

松本】三年振りの工事現場見学です。瀬戸・赤岩・柳谷・中飯場とまわりましたが、懐かしさと新発見となったのは、中飯場での甚之助谷地すべり現場でした。すべて無人機によって工事半ばだった堰堤が完成。モノレールも設置され、物・人の移動が楽になり、地下水を排水する万才谷トンネル工事にいよいよ取りかかっている様子に、人間の努力は素晴らしいものだと思いました。冬の間は工事の中断、天気が悪ければ中止とか、はてしなく、いったいいつ工事が終わるのだろうと思ったものでした。これで先が見えてきたということですね。
 ひどい時は1年に20cmも動く谷。放っておくと白山がなくなってしまう。これで万全ではない工事ですが、少しでも早く効果を上げて、霊峰白山を守ってほしいです。

加藤】瀬戸砂防堰堤は、昭和27年に完成してから今年で55年が経過しており、今回その改修工事を見学しました。工事用道路を造るのに大変な日数が費やされ、又、川の水は止められないため、右岸と左岸に分けての作業が難しい事を教えていただきました。
  地すべりブロックへの地下水流入を抑制するため、万才谷排水トンネル工事が行われていることを説明していただき、仕事をされる方は、トロッコに乗って現場に行かれてました。
  最近の大雨により、各地で土砂災害が多く心が痛みます。被害が少しでも無くなるように祈らずにはおられません。


塚崎】今回は、瀬戸砂防堰堤、赤岩砂防堰堤、柳谷工事用道路等の現場見学でした。毎回思います、人間も自然の一部だと。それでも見学をして、堰堤の補修・改修・新設や地すべり対策など、土砂災害防止の為の人間の技術はすごいと感じます。その技術が無かったら、やっぱり砂防事業は必要です。
  この日は、白山砂防科学館で映像も見ました。災害の映像でしたが、最近の私は想定外の災害が起こらないことを祈っています。


三守】今回は、以前に行った堰堤を見学しました。堰堤の工事は大自然が相手で安全を確保するための工事には限りが無いように感じました。特に左側に傾いた堰堤を見て、地盤のすべりのせいかなと思い、自然の脅威を目の当たりにして少し不安です。


西村】3月11日の東北の大震災から今日まで、土砂災害と言う言葉を本当に耳にするようになった。地震・津波・そして新潟地方の大雨による大洪水、自然が大猛威を振るっている。 石川県は穏やかな所で災害が少ないところや・・・とは言っていられない。何時いかなる時に災害がやってきてもおかしくはないのである。私達がたまたま災害の無い時代に生きているだけの事で、長いスパンでみれば昭和9年の大洪水、又、明治24年の大地震を契機としているというから、長い歴史がある。今までは夏になると、にわか登山者になり、湯ノ谷や甚之助谷の大規模な崩壊には目もくれず、登山を楽しんでいたが、女性特派員となり砂防のお勉強をさせていただき、砂防工事の大切さを痛感するのです。
 今回の見学先は以前にも見学した所もあったのですが、現場は毎回変化があり、何度見聞きしても興味のある内容です。今回は特に柳谷の現場の奥深くまで連れて行っていただき盛り沢山の内容でした。別当出合〜中飯場までの工事用道路を建設し、さらに多年にわたり甚之助谷階段状砂防堰堤群を建設。10本の排水トンネル・2ヶ所の索道用停留ステーション・深さ50mの井戸等、年間5ヶ月足らずしかない工期の中で、工事に携わっている方々には本当に感謝しなければいけません。
 「いまも、自然は静かに動いている」と聞きがき抄に書かれていましたが、今日の見学先の柳谷上流砂防堰堤でも年間15cm位ずれてきているとお聞きしました。
 大規模な土砂災害が無い事を祈り、又、下流である白峰集落の保全をお願いしたいと切に思いました。


】第3回活動において、まず私達は尾添川瀬戸砂防堰堤改修工事現場を見学しました。去年見られなかった完成した右岸護岸工事を見る事ができました。そして、一路県道白山公園線を遡りました。沿線には、昭和9年の大水害以前にはいくつかの集落もあり、分教場もあったそうです。当時はかなり奥深い山地であったと思われるのですが、出作り小屋から発展して、人々は常時暮らすようになったそうです。ライフラインも整備されていない昔の営みは、どのようなものであったのでしょうか?人々の暮らしが忍ばれます。
 中飯場からこれまで眺めた下流の柳谷中流堰堤群や上流の甚之助谷は見学したことがありましたが、今回初めて、排水トンネルケーブル基地の工事現場までバスで行くことができました。見上げるばかりの大きな建造物に圧倒されました。登山道では甚之助ヒュッテの少し下あたりになるそうです。また、「甚十三堰堤・昭和7年」と書かれた堰堤は、現地で調達した石をひとつひとつ積み上げたもので、手作りのほのぼのとした先人の温もりが伝わってくるようで、素晴らしい芸術品に見えました。また、これは文化財登録候補に十分匹敵すると思いました。
 甚之助谷地すべり防止工事集水井は、高さ38.7mもある巨大な円筒建造物で、はりめぐった集水用のパイプでしみ込んだ土中の水を排水しています。このようなものが3基現存しているようで、あらゆる地すべり対策の知恵が結集していることがわかりました。


道脇】素晴らしい天候に恵まれての見学。
 砂防科学館にて事前に映像を見たので、現場に行っても分かり易かったです。以前はダムと言っていたのが、堰堤と言うようになったそうですが、全てのダムが堰堤というのかしら?
 瀬戸砂防堰堤は55年前に完成したのですが、今回は1.4m嵩上げ工事をしていました。簡単そうに見えますが、不安定な足場で危険を伴い大変ですね。昨年見学した時より、2基のトロッコが出来ていて、荷物の運搬に大活躍していました。万才谷から赤谷への排水トンネル工事は外からは見えませんが、壮大な工事ですね。白山での工事は、夏場だけでの短期間にしか出来ないのが残念です。
 お借りした「はくさんおんせん」の本を読みましたが、車もあまりない時代、村の人達が協力し合って、人命救助・食料調達をした様子が分かり、今の東日本大震災と重なり、いつの時代も人々が助け合う日本は素晴らしいと思いました。