トップページ > 白山砂防女性特派員 > 第17期白山砂防女性特派員 > 第3回活動
【1日目】8月5日(月)
8:30金沢河川国道事務所 発
11:00登山開始(砂防新道にて)
12:50昼食(甚之助避難小屋)
14:30南竜山荘 着(南竜〜エコーライン分岐経由) 15:00ビジターセンター着(工事現場説明) 17:00夕食
【2日目】8月6日(火)
6:30起床
7:30南竜山荘 発
8:30万才谷排水トンネル工事 現場見学
10:30万才谷排水トンネル工事現場 発
11:00ビジターセンター 発
12:50甚之助避難小屋 発(昼食後)
14:30中飯場 発
17:00金沢河川国道事務所 着
【國田】【宮】【山岸】【山口(敬)】【山口(昭) 】【達田】 【國田】 予想通りの酷暑の中の登山だった。それでも白山について学ぶのは気合いが入る。見慣れた山の風景は、新たな崩れを見せつけながら、私たちの前に立ちはだかる。 2日目は、いよいよ楽しみにしていた排水トンネルの見学。現場までの道のりは毎日通う人達の大変さを知らしめた。労働中の人達の顔は厳しく、動きも緊張感があった。それにしてもすごい工事だった。登山を楽しむ誰が、この登山道の谷底で、こんなにも大きな工事が行われているなどと考えるだろうか。 万才谷の水を380mもの大きなトンネルを掘り、赤谷に放水し、地すべりを招く地下水の減少を図る。日頃話に聞く私でさえ、驚きのスケールだった。山を守り、流域やふもとの人々の命、生活、財産を守るための工事だ。 案内してくださった日谷さんの体、言葉から、仕事にかける自信や逞しさ、誇りが溢れていた。 登山道から見える現場からは、想像だにできないことを目の当たりにした。まだ二年以上先の完成を、また見学できたらうれしい。山の厳しさの中でどうか、安全に作業ができますようにと祈らずにはおれない。 私達のために、たくさんのご配慮を頂いた飛島建設、南竜事務所の方々に感謝いたします。ありがとうございました。 【宮】 私は、前に白山に登った時、登山道から時折見える工事の風景に、何の工事なのだろうか?と疑問に思っていたので、今回の見学はとても楽しみでした。 白山は登った事があるので、登山は楽勝だと思っていたのですが、今年の暑さと日差しは別格で、とてもしんどかったです。南竜山荘に着くと、高山病になってしまったようで、こんな険しい道のりが通勤路になる工事現場の方々に、本当に頭の下がる思いでした。 工事現場は、実際に見てみると驚きばかりでした。まず、工事のできる期間が、6〜10月と短く、毎年現場に行く道を作る為の雪かきから始まると聞き、難工事になるはずだと思いました。 また、南竜事務所から険しい道のりを30分ほど歩かねばならず、やっと着いたトンネルも地下深いだけあり、思っていた以上に寒く、季節感さえ失われる程の気温差。真夏の時期でこれだけ寒く、絶え間なく水が流れているので、現場仕事はさぞかし大変だろうと思いました。 こんな大変な難工事が登山客が行き交う横で行われていたのだと、初めて知りびっくりしました。 我々が安全に生活できるよう、このような工事を国が発注しているとは、砂防特派員になるまで全く知らなかったので、国の対策をこの目で見られて良かったです。 今後も、いろいろな砂防対策をしっかり見学し、子供達にも伝えていきたいと思いました。 【山岸】 今回の活動の宿泊先が南竜山荘ということもあったのか、行きも帰りも今までの女性特派員の白山登山とは違い、早いペースで、全体的に予定よりも早く活動ができました。これも各特派員の日頃の努力の賜かなぁと感じました。 飛島建設の現場見学会は、呑口側と吐口側に離れており、トンネル内も見学したので広範囲を歩きました。工事関係者の方々は、毎日宿舎から現場まで険しい道のりを通勤され、現場で一日作業されるわけですから、そのご苦労は大変なことと推察されました。 宿舎の部屋も、3人一部屋ということで、人間関係も円滑にいかないと即仕事にも影響がでるだろうと思われました。楽しみの一つである食事も、調理担当の方の過酷な環境の生活と仕事ということで、採用が中々決まらず、現場の作業だけでなく、そこでの生活に伴う課題も多くあり、大変さがひしひしと伝わってきました。 工事の中で一番印象に残ったのは、排水トンネル386m施工するのに発破を使い、1回で0.7m〜1mぐらいしか進まず、昼夜問わず一日5回実施するのが精一杯だったことです。様々な難行程に計り知れない、緊張感を感じられました。 工期が10年を超えているということで、いろいろなご苦労があるとは思いますが、安全に予定通り完成されることを祈っています。 飛島建設さんには、大変お忙しい中、お世話になりました。ありがとうございました。 【山口(敬)】 今年は天候に恵まれ、手取川源流域調査も行われ、なにより、甚之助地すべり対策による、万才谷排水トンネル工事現場まで行けたことが、本当に良かったです。 いつも白山登山の折に、南竜水平道から、遠目に見ていただけだったので、現場での施設や重機、策道やトンネルを見て、どれもこれも現場ならではの迫力に圧倒されました。 赤谷への吐口から、386mあるトンネル内の水路を通り、反対側の万才谷の呑口側の取水堰堤、立抗内集水の工事などを順に見ていく程に、工事の大変さもよくわかり、エンドレスに続く、危険を伴う自然の崩壊に立ち向かっているのは、人間であり、そして高い技術であり、そのことに改めて気づかされ感動しました。 用意してくださった資料もとてもわかりやすかったですし、河川事務所のスタッフや建設会社の方達の説明も丁寧で、本当に感謝しています。白山登山をはじめ、白山麓から手取川の河口までを守る事に繋がる、この大工事の安全と成功を祈っています。 【山口(昭)】 2年越しの手取川源流域調査見学。とても暑い日でしたが、飛島建設並びに国土交通省金沢河川国道事務所の職員の皆様、山岳ガイドさんのおかげで、安全に登山及び見学を行うことができ、ありがとうございました。そして黒ユリをはじめ、たくさんのお花たち、星で一杯の夜空、素晴らしい御来光など、白山の自然を楽しむことができました。 とても楽しみにしていた、甚之助地すべり万才谷排水トンネル工事見学では、工事の困難さ、そして、規模の大きさに驚きました。一年間で可能な工期は、4ヶ月弱しかなく、天候等に影響を受ける中での工事とのこと。また、南竜でのお話を聞いて、現場の作業員のご苦労に頭が下がりました。 このトンネルにより万才谷から赤谷への排水が行われ、地すべり対策の効果に期待したいと思います。 手取川源流域調査及び甚之助谷地すべり工事見学は、次年度も是非、継続して行っていきたいと思いました。 【達田】 昨年は悪天候の為中止になった白山登山、今年は天候に恵まれ過ぎて暑さとの戦いに。 初日は中飯場から南竜山荘までの短めの歩きではありましたが、登り始める時間が遅かったので、もう少し早めの到着の方が、暑さ対策にもよいかと感じました。 2日目は展望歩道から御来光を見た後、万才谷排水トンネルを見学に行きました。現場への道は登山道と異なり、1人通るのがやっとな急な坂が続きます。私達は1往復するだけで済みますが、作業員の方にとっては南竜事務所から毎日歩く通勤路。昨年見学した立山砂防と違うのは、現場まで徒歩で行くしかない点で、白山砂防は作業員の方にとっても過酷な事業なのだと身をもって感じました。 完成前のトンネルの中を歩くという、貴重な体験もしましたが、徒歩でないと現地入りできない標高2000mの奥地で、これほどまでの大掛かりな工事になっているとは...。 限られた期間しか作業できない上に天候にかなり左右される等、規制の厳しい国立公園内の工事ならではの苦労話なども聞きました。 私達には見えない場所で苦労しながらも、災害を防ぐための工事をされている皆様に感謝致します。 ガイドさんと飛島建設さんには2日間大変お世話になりました。ありがとうございました。