金沢河川国道事務所

15施設が国の登録有形文化財に登録

 甚之助谷砂防堰堤群など白山の砂防施設15基が、平成24年2月23日に国の登録有形文化財に登録されました。

                                


 施設名  所在地  所有者
 甚之助谷
第2号谷止工
 白山市
白峰
 石川県
 甚之助谷上流
第16号砂防堰堤
 白山市
白峰
 石川県
甚之助谷
砂防堰堤群(11基) 
 白山市
白峰
 石川県 
 柳谷
第7号砂防堰堤
 
 白山市
白峰
 石川県 
 御鍋砂防堰堤  白山市
尾添
 国土交通省 

【甚之助谷第2号谷止工】
甚之助谷第2号谷止工
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・白山砂防で最初に造られた谷止工の一つです。
・標高2,000mを超える高地の施設で、当時は我が国で最高峰の砂防施設です。
・使用された石材は現地で採取し、セメントを使わない空石構造です。
・下流法面は流路の形状に合わせて両翼部より凹ませた形状になっています。
【甚之助谷上流第16号砂防堰堤】
甚之助谷上流第16号砂防堰堤
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・白山直轄砂防初期でしか見られない水通庇が設けられています。
・手取川大出水(昭和9年)以前の施設で、竣工当時の原形を最も良く保持しており、昭和初期の施工計画や施工技術・施工方法に係わる歴史を伝える歴史的価値の高い砂防施設です。

【甚之助谷砂防堰堤群(11基)】
甚之助谷砂防堰堤群(11基)
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・白山直轄砂防初期の階段状堰堤群です。
・白山直轄砂防初期でしか見られない水通庇が設けられています。
・大規模な地すべり地帯に設置されているため、地すべりによる亀裂が生じて補修されていますが、変状が小さく原形を保持しているため、昭和初期の施工計画や施工技術・施工方法など、施工に関する歴史を現在を現在に伝える歴史的価値の高い砂防施設です。
【御鍋砂防堰堤)】
甚之助谷砂防堰堤群(11基)
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・我国で最初に三次元応力解析により設計された砂防堰堤であり、当時の設計・施工技術に係わる歴史を現在に伝える歴史的価値の高い砂防堰堤です。
・堤高は41mで三次元形式では我国最大です。
・貯砂量230万m3大は我国屈指です。

・越流水が両袖部下流岩盤を叩き浸食の恐れがあることから岩盤保護のため、水叩きを設けています。
【柳谷第7号砂防堰堤】
柳谷第7号砂防堰堤
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・白山直轄砂防で最初に施工された堰堤の一つです。
・我国最初の階段状堰堤です(堰堤設置に適した岩盤の無い箇所で堰堤を設ける方法であり、既存堰堤を基盤として階段状に堰堤を設置する最初の試験的な堰堤です)。
・白山直轄砂防初期でしか見られない水通庇が設けられています。

◇登録有形文化財とは
 平成8年10月1日に施行された文化財保護法の一部を改正する法律によって、保存及び活用についての措置が特に必要とされる文化財建造物を文部科学大臣が文化財登録原簿に登録する「文化財登録制度」が導入されました。
 この登録制度は、近年の国土開発や都市計画の進展、生活様式の変化等により、社会的評価を受けるまもなく消滅の危機に晒されている多種多様かつ大量の近代等の文化財建造物を後世に幅広く継承していくために作られたものです。これは届出制と指導・助言・勧告を基本とする緩やかな保護措置を講じる制度であり、従来の指定制度(重要なものを厳選し、許可制等の強い規制と手厚い保護を行うもの)を補完するものです。

◇登録基準
 建築物、土木構造物及びその他の工作物(重要文化財及び文化財保護法第182条第2項に規定する指定を地方公共団体が行っているものを除く。)のうち、原則として建設後50年を経過し、かつ次の各号の一に該当するもの。
(1)国土の歴史的景観に寄与しているもの
(2)造形の規範となっているもの
(3)再現することが容易でないもの
登録プレート
登録プレート
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登録証
登録プレート
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