金沢河川国道事務所

昭和9年災害概要

氾濫地域
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崩壊写真
別当谷大崩れ
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 例年にない大量の雪溶け水と400ミリメートルを超える豪雨が重なって発生した崩壊土砂が下流河川への土石流となって流下した。このため、上流から河口まで流域のほとんど全域にわたって被害が発生する、未曾有の大災害となった。
 これによって、上流部では別当谷大崩れの発生をはじめ、別当谷、柳谷、甚之助谷等で推定約1億立方メートルに達する崩壊土砂が流出し、河床が著しく上昇した。市ノ瀬で12メートル、風嵐7メートル、桑島4メートル、尾添川との合流点では約3メートルの河床上昇がみられた。

発生日時:昭和9年7月11日未明
被害状況
死者 97人 流失家屋 172戸
行方不明 15人 倒壊家屋 65戸
負傷者 35人 流失建物 160戸
埋没耕地 2,113町歩 倒壊建物 40棟
流失耕地 695町歩 床上浸水家屋 586戸

崩壊、流出土砂量(推定)
区域
土砂区分
土砂量(万立法メートル)
備考
砂防区域 山地崩壊量 6,000〜10,000 一説によれば2億立方メートル
河道堆積量 (600)
4,000
(  )内は市ノ瀬風嵐間の推定量
河川改修区域 河道堆積量 100  
堤内地堆積量 1,000 破堤により堤内耕地に堆積
海への排出量 100 改修区間への流出量
1,200  

濁流に洗われる手取川鉄橋
濁流に洗われる手取川鉄橋(白山市)
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橋脚を奪われた能美電鉄の鉄橋
橋脚を奪われた能美電鉄の鉄橋(白山市)
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濁流に洗われる手取川鉄橋
風嵐の被害状況(白山市、白峰)
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氾濫流にのまれた町の様子
氾濫流にのまれた町の様子
  (川北町、橘小学校付近)
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洪水流木が堆積した朝日の水田
洪水流木が堆積した朝日の水田(川北町、朝日)
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【百万貫の岩】
昭和9年7月の手取川大水害時に、上流の支川より土石流と一緒に約3km流され、現在の位置にある。
高さ 16メートル
幅  最大19メートル
重量 約4,839トン(約129万貫)
平成13年12月25日には県の天然記念物に指定された。