新規採択時評価一般国道8号 加賀拡幅の事業評価
(1)交通渋滞の緩和
事業前
一般国道8号加賀地先では、年々交通量が増加し、慢性的な渋滞が発生しています。
特に、休日において、周辺の片山津、山代、山中温泉等からの観光客が流入し、交通混雑が著しい状況にあります。
国道8号の現状
交通量(西島町):23,000台/日
平均旅行速度(西島町):28.7km/時
混雑度(西島町):1.66
事業後(予測)
現在2車線の車道を4車線化することにより、主要な渋滞ポイント加茂交差点の渋滞が解消されます。
このように、交通容量が増加し、交通渋滞の緩和が期待されます。
(2)沿道の賑わい創出
事業前
加賀拡幅周辺には、片山津温泉、山代温泉、山中温泉等の温泉街が広がっており、国道8号の沿道にも観光商業施設が立地していますが、近年、観光消費額は減少傾向にあります。
[加賀地域の観光消費額の推移]
事業後
加賀拡幅の整備にあたり、沿道商業者が主体となって、まちづくりのあり方について検討を行い、魅力あるまちづくりを行っていく予定です。
(3)快適な歩行者・自転車空間の確保
事業前
加賀拡幅区間の国道8号は、交通量の増加、歩道の幅員不足、冬期間の幅員狭小等様々な要因による事故が多発しており、事故件数は増加傾向にあります。
[事故状況]
事業後
車道を2車線から4車線へ拡幅すると共に、歩道と自転車道を分離(上河崎町〜松山交差点の間)し、十分な幅員を確保することによって、安全で快適な歩行者・自転車空間を確保します。
(4)費用と便益の確認
道路整備の効果は多種多様ですが、このうち金額に換算できる効果に限定して、便益を算出すると722億円となります。
これに対して、建設や維持管理にかかる費用は195億円です。
したがって、本事業にかかる費用と生じる便益より算出される費用便益比は3.7となります。
総費用 | 総便益 | 計画交通量 | 基準年 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
195億円 | 722億円 | |||||
事業費 | 維持管理費 | 走行時間 短縮便益 |
走行費用 減少便益 |
交通事故 減少便益 |
||
175億円 | 20億円 | 677億円 | 32億円 | 13億円 | 37,000台/日 | 平成15年 |
※費用・便益は、供用開始後40年後までに発生するものを現在価値に換算した上で、合計して算出しています。