砂防について

新たな渓流整備 荒川流路工

流路工の概要

 荒川流路工は、荒川上流部の山形県小国町大字五味沢地先に位置し、この地区は、過去、昭和42年8月の羽越水害に代表されるような災害を受けてきました。

 飯豊山系砂防事務所では、これまで当地区の上流部において砂防堰堤の建設を進めてきましたが、昭和62年度より、約1.8km区間についての流路工計画に着手したものです。

 なお、本流路工の主な目的は次のとおりです。

  • 偏流・乱流の防止
  • 河床堆積物の下流への流出防止
  • 渓岸崩壊の防止
  • 氾濫の防止
■計画諸元
地元 流域面積 計画雨量 計画流量
石滝川合流点 53.4k㎡ 431mm/日 600㎥/S
■工事概要
延長 床固 帯工 護岸
1,800m 4基 9基 3,600m

「白い森構想」の中心的存在の荒川流路工

 小国町の「白い森構想」の中心的存在を担うのが荒川流路工。流路工沿いには数多くの施設を設置しています。流域の生態系にも配慮し、ふれあい、豊かな渓流づくりを進めています。そこには、安全のための流路工から、人々にとって魅力的な空間としても機能するという役割もあります。
主人公は地域の人々と豊かな自然

 四季を通じて人々を和ませてくれるブナの象徴的な色合いをキーワードにした「白い森構想」は、小国町がそのブナ帯文化による風土の情報発信基地として地域の活性化を図ろうというものです。

 この構想の中心施設が荒川流路工です。荒川流路工をいままでの砂防施設を越えた魅力的なコミュニティ空間とするために、学識経験者、建築家、作曲家と地元代表者で構成された「荒川流路工環境検討委員会」を設置し、「セカンドネイチャーの形成」「自然環境の尊重」「チャームポイントの形成」を基本理念として掲げ、整備にあたりました。

 周辺の河原との違和感を少なくするため、現地の玉石でコンクリート護岸を覆い、はだしで川に近づけるよう傾斜をゆるやかにし、渓流魚が遡上できる魚道の配置やオートキャンプ場(遊砂地)には周辺の植生を考えたブナを主体にした植樹など、自然との共生を進めた様々な工夫がなされています。

オートキャンプ場

周辺にはブナの森で森林浴を楽しめる遊歩道もある

木工場

洗心亭

小国国際フェスティバル
パントマイム
マルセル・ルソー

魚のつかみどり

かじか橋

りふれ