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安全で効率的な除雪作業のために

一般的な除雪機械に関する技術開発

開発に至る背景

  近年、円滑な道路交通の確保のため、幹線道路の多車線化への整備が進められています。

 これらの道路の除雪体制は除雪面積の増大、交通量の増加、走行速度の高速化への対応が求められており、 これに対処するため除雪機械の高出力化、大型化、多機能化などによる効率化が進められています。 しかし、熟練オペレータの不足が深刻な社会問題となっている現在、操作性を改善し、 簡易で安全に運転できる除雪機械の開発が求められていました。

技術の内容

 除雪作業は、道路上の雪の状態により、そのやり方(除雪工法)を使い分けて実施していますが、

 ここでは、一般的な除雪作業に使われる機械(除雪トラック、除雪グレーダ、ロータリ除雪車)について各機械ごとの背景も含めて説明いたします。

除雪トラック

 除雪トラックは、路面上に積もった雪をトラックの車両前方に配置した作業装置(除雪プラウ)により路側又は路外に排出(新雪除雪)する機械です。 除雪作業の高速化等に対応するため、作業の安全性を確保しつつ、さらなる効率化・多機能化が課題となっていました。

除雪トラック 全景

除雪トラック 全景

 車両前方にある作業装置(除雪プラウ)に加えて、車両中央下部に取り付けられ、スライド機構により伸縮可能な作業装置(グレーダ装置)で、除雪幅を最大4.0mまで拡張でき、多車線道路などの除雪で、より広範囲(効率的)な作業が可能となりました。

グレーダ装置拡張状態
グレーダ装置拡張状態
拡張状態での作業状況
拡張状態での作業状況
グレーダ装置 概略図
グレーダ装置 概略図

自動操縦装置の概要


 グレーダ装置を自動制御することで、その操作性が向上し、作業装置の操作が容易になりました。その結果、オペレータは車両の運転に集中することができ安全性が向上しました。

 コンピュータ制御によるオートマッチクトランスミッション(自動変速装置)の採用により、除雪作業の負荷に応じた最適な速度が維持できるようになり効率的な作業が可能となりました。

開発装置の概要
開発装置の概要
制御図
制御図
簡略図
簡略図

除雪グレーダ

除雪グレーダは、新雪除雪や路面整正などに使用する機械です。 作業では刻々と変化する道路勾配や雪の状態により、作業装置を常に最適な状態に保つよう数多くの操作レバーを頻繁に操作・調整を行う技能が求められるため、車両の運転操作や作業装置操作のどちらか一方に集中出来ないという課題がありました。


除雪グレーダ 全景

 安全で効率的な作業を実現するため、作業装置を操作するレバーのうち、最も頻繁に操作するレバーの機能(ブレードの押付力)を自動化しました。ブレードに付加する押付力を自動的に制御することで、作業性の向上と除雪品質の確保が可能となりました。また、オペレータのレバー操作回数の低減により、車両の運転操作に集中できることから、安全性と作業速度が向上し効率的な除雪作業が可能になりました。

開発装置の概要
開発装置の概要
自動制御装置操作パネル及び操作レバー群
自動制御装置操作パネル及び操作レバー群

3.ロータリ除雪車

ロータリ除雪車は、新雪除雪や路面整正によって路側に寄せられた雪を路外に投雪し路幅を確保(拡幅除雪)する機械です。 機械は、その作業の特性上、小回りができるように操舵方式は車体の中央から屈折する車体屈曲式となっています。また、その構造から、走行速度も制限されるため、車両の回送速度が遅く、冬期道路の渋滞の発生の原因の一つになることもありました。よって、回送速度の高速化が課題となっていました。


ロータリ除雪車(一般型) 全景

 車体屈曲式の車体をリジット方式とし回送速度の高速化(最大70km/h)を実現しました。また、高速走行時の安定性を確保するため、回送時のステアリングは前輪操舵とし、作業時に必要な小回り機能は4輪操舵へ切り替え可能とすることで作業性を確保しました。これにより渋滞の回避と除雪作業の速やかな着手が可能となりました。

高速型ロータリ除雪車 全景
高速型ロータリ除雪車 全景
4輪操舵状態
4輪操舵状態

地域との関わり(接点)

除雪機械に係わる技術開発により、除雪作業が安全で効率的に実施できるようになり、皆さんが「冬期間も安心して走行できるような道路の確保」に役立っています。

身近な建設技術