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千曲川だより

 掲載日 2015/02/17

 

 

   
  
防災講演会と防災エキスパートとの意見交換会を開催
 

 2月3日(火)に千曲川河川事務所の大会議室にて、防災講演会を開催しました。
事務所職員と北陸地方防災エキスパート(*)の方々、合わせて約40人が聴講しました。
 講師は、中野市教育委員会生涯学習課 学芸員である山田 正子様にお願いし、貴重な古文書から中野市上今井地籍の瀬替え工事をとおして、中野市やその周辺地域の歴史と文化を丁寧にご説明して頂きました。
 なお防災講演会終了後に引続き、防災エキスパートとの意見交換会を行いました。


◇防災講演会
   演題:千曲川を掘り替えた地域の「百姓の力」−願い29か村の瀬直し−
   講師 中野市教育委員会生涯学習課  山田 正子 学芸員

 明治維新さなかの明治3年(1870年)6月に、上今井地籍の千曲川瀬替え工事が始まりました。このとき掘った新川は上今井橋下流約1.5kmの延長でした。洪水で悩んだ上流67か村の人々が鍬とジョレンを手に、土もっこを担いで掘った大工事でした。明治新政府の補助金は全工事費用の1割弱で、それ以外は上今井村への新川潰地補償金もあわせて、全額を29か村で担いました。
 当時、事業主体となった29か村の「堀川関係書類」をはじめ、古文書をもとに工事の全容をたどりました。


講師  山田正子 様 講演に耳を傾ける聴講生 


 講演の主な内容は次のとおりです。
@千曲川洪水に悩んだ村々が抜本的治水策に取り組み中で、1860年に水内・高井両郡の26か村
 は上今井地籍で川筋を直流化する事を企てました。
A押切村と水内郡村は連続築堤防と瀬直しという治水策で猛反発し合う事態となり直流化せず、 連続堤防を築堤することで内済となりました。そして土堤惣代による水防組合が動き出しました。
Bしかし、洪水被害により連続築堤防が押し切られたため、上今井村地籍における千曲川の直流
 化構想が再浮上しました。円徳耕地組合21か村は、築堤問題で争った対岸の長沼組合8か村と
 の連合「願い29か村」として1870年に「為取替協定書」をまとめました。
 工事費用は全額29か村が負担することで工事が始まり、1872年に完工しました。
C上今井村は国庫補助を受けられない、無利子での拝借金を叶わないなどの補償問題を抱えて
 いました。しかし、国と上今井村との示談より「交換契約証」を交わし、1983年に交換金が支払わ
 れ、その後村の会計が精算されました。

 村民自らが「企画立案〜瀬直し工事の実現〜補償問題の解決」に取組んだという史実を山田学芸員が貴重な古文書の原文から丁寧に解説頂いたこともあり、明治初期に住民自らの手で行われた治水事業に大変興味を懐かせる講演となりました。


◇防災エキスパートとの意見交換会
 意見交換会では、春期の合同巡視による注目する堤防箇所を確認しつつ、職員自らの堤防点検内容について助言を頂きました。また、立木の活用する土壌がある中で、立木の伐採には公募型に期待している等の意見を頂戴し、今後の河川管理の参考としていきたいと考えています。

事務所職員 防災エキスパートの方々

※ 北陸地方防災エキスパートとは、被災した公共土木施設等のスピーディな被災情報の収集などにボランティアとして協力頂く人です。

 

 

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