掲載日 2011/01/27
千曲川で世界トップレベルの橋梁架設工事が行われています
〜北陸新幹線千曲川橋梁工事現場見学会〜
中野市立ヶ花地区は、千曲川の中でも急激に川幅が狭くなる狭窄部のひとつですが、現在、右岸と左岸を結ぶ北陸新幹線の「第4千曲川橋梁」の工事が施工されています。
狭窄部のため河川内のすべてが流水域となり、工事スペースを確保できないことから、左岸側に設営した作業場内で橋桁を溶接し、既設の高架橋上部で油圧ジャッキを用いて押し出すという、世界でもトップレベルの架設技術を投入して工事が進められています。
一日約20メートル右岸側に押し出すと同時に、橋桁の先端が直進方向に向かうよう、コンピューターで調整しながら作業を進めており、繊細な操作が要求されるこの作業には、女性のオペレーターがあたられているとの事です。
※ 青○のジャッキで上下を調整し、 赤○のジャッキで押し出します。 |
橋桁を直進させるシンクロジャッキ |
中野市と飯山市を結ぶ「第5千曲川橋梁」の現場では、日本に3台しかないという800トン吊りのクローラクレーンをはじめとする巨大クレーンが千曲川の河川敷に並び、橋桁をクレーンで橋台に載せてボルトで連結していく工法を採用しており、この第5橋梁で使われるボルトの本数は実に46万本に及ぶということです。
この見学会を企画したのは「信州 橋の日」推進協議会で、北陸新幹線建設局の全面的な協力を得て実現できたものです。前日まで続いた大雪のため橋梁上部を歩くことは取りやめとなりましたが、参加者は普段は立ち入ることのない大型事業の現場の雰囲気と、経験と知識を備えた技術者の、建設工事に懸ける情熱を十分に感じることができました。