掲載日 2009/07/09
千曲市杭瀬下区民による防災講演会が開催されました
千曲市杭瀬下区には、国土交通省の水位観測所が設置されていることや、千曲市の管理する尾米(おこめ)排水ポンプ場など、重要な防災施設が存在しており、防災意識を常に高く掲げておられる地区です。
こうした背景もあり、日頃から出水時の対応に備えるため、区長さん等が中心となって、地域での安全・安心を目指す取り組みについての講演依頼を千曲川河川事務所にいただき、「千曲川の現状と取り組み」と題して、あんずホールにて説明させていただきました。
6月28日(日)に開催された講演会には、杭瀬下区民の皆さんはじめ約80名の方々が参加され、とりわけ「杭瀬下」の法被をまとった消防団の方々が会場を埋める姿には、まさしく地元を自ら守ろうという気迫が伝わってくるようでした。
山ア杭瀬下区長さんのご挨拶の後、千曲川河川事務所の調査課長が説明にあたり、流域の概要とおもな洪水の歴史と、それに対する治水対策、また、※「治水地形分類図」による千曲川の生い立ちと特徴、そして千曲市で作成した「洪水ハザードマップ」の概要などを説明しました。
千曲市の都市計画課からは、尾米排水ポンプ場の概要と、過去の洪水時に深夜にまでおよんだ稼働実績などを説明しました。
説明後の質疑応答でも、洪水ハザードマップでは浸水するとされている地区での避難対策の策定状況や洪水の歴史の再確認など、千曲川の洪水を目の当たりにしてきた地区としての切実な意見や質問が寄せられました。
今後も機会があれば、こういった地元での説明会を通じて、河川行政へのご理解とご協力をいただくことに努めてまいります。
※治水地形分類図とは
国土地理院が昭和50年代初めに、一級河川の平野部について、治水対策を進めるための基礎資料として整備したものを、千曲川河川事務所と連携し、全国に先がけて千曲川流域をモデルケースとして、最新の資料・データを用いて更新を行いました。
河川の氾濫などの水害を受けやすい場所は、低地の微地形と密接な関連があり、その形成過程や地盤状態を把握することは防災上重要であり、この治水地形分類図からは、洪水や地盤災害に対する危険性を定性的に把握することができます。