千曲川河川事務所千曲川情報館
防災/災害情報ニュース/イベント入札契約情報事務所と事業環境への取り組み知る・遊ぶ・協働総合学習素材リンク集
トップページ >ニュース/イベント >千曲塾 >第27回開催報告

 第27回千曲塾は、昭和50年代に治水対策を進めるための基礎資料として、国土地理院が制作した『治水地形分類図』を、千曲川河川事務所などが全国に先駆けて更新を行ったことを紹介するため『「地図から見える治水と歴史」〜全国に先駆けて千曲川で治水地形分類図を更新〜』をテーマに開催しました。
 この地形図からは、長野市松代の「千曲川瀬直し」の痕跡などのように、かつての蛇行流路と現在の流路を比較することができるほか、平成18年の大洪水では長野市赤沼、須坂市福島など48箇所もの基盤漏水が発生しましたが、漏水箇所の多くは、かつての千曲川の上に堤防を築いた場所であることなどの事例を紹介し、治水地形分類図の利活用について、約150名の参加者の皆さんと共に学習しました。

開催日時
: 平成22年3月10日(水)13時30分〜16時30分
開催場所
: 長野市生涯学習センター 4階「大学習室1」  

 

 ■第27回千曲塾プログラム

 1.パネルディスカッション 「地図から見える治水と歴史」 〜全国に先駆けて千曲川で治水地形分類図を更新〜

○パネラー
  市川 健夫 千曲塾塾長(東京学芸大学名誉教授)
  熊谷  清  治水地形分類図利活用研究会委員(元国土地理院参事官)
  滝澤 公男 温泉資料館館長(元長野県立歴史館資料調査員)
  福島 芳和 国土地理院地理調査部長 
  樽井 一郎 須坂市まちづくり推進部長

○コーディネータ− 
  安達 孝実  千曲川河川事務所長

パネラーの方々

 ■開催内容(各パネラーの発言趣旨)

  国土地理院地理調査部長福島氏からは、聞き慣れない「治水地形分類図」とは、どういったものなのかを分かりやすく教えていただきました。
 地形と水害には密接な関係があり、基本的には河川による浸食や運搬堆積作業によって地形が形成されてきた経緯や、洪水時の危険性の予測や堆積物の性質を推定することなど、流域全体の地盤を定性的に把握することを目的に、国土地理院が昭和50年代に一級河川の平野部について、治水対策を進めるために製作したものということを解説していただきました。
      
国土地理院 福島氏 利活用研究会 熊谷氏

 続いて、治水地形分類図利活用研究会委員 熊谷氏からは、治水地形分類図の前身となる「水害地形分類図」が作成されるきかっけとなった理由から説明していただき、この図は昭和34年に伊勢湾台風の大被害が起きる3年前ぐらいから着手されており、台風後の被害状況と、分類図の災害予測が大体一致していたことから、当時の新聞に「地図は悪夢を知っていた」という見出しが載せられた事など、たいへん興味深いお話しをしていただきました。
 
 市川千曲塾塾長からは、治水地形分類図から見える歴史上の出来事との関係について触れられ、松代藩の主導により裾花川の瀬替え工事が行われ、現在の県庁の裏を旧裾花川である八幡川が流れており、刈萱山西光寺を抜けて、七瀬から高田、柳原と流れていた痕跡が読めることや、中野市の延徳田圃は昔「遠洞湖」と呼ばれたことなどの解説をいただきました。

市川塾長 温泉資料館 滝澤氏

 休憩をはさんだ後半では、千曲市の温泉資料館館長の滝澤氏が、昔の絵図を用いながら地名と地形の関係について解説いただきました。千曲市から長野市にかけての千曲川沿川で、地名に「島」が付くところは、治水地形分類図でいう微高地であったり、逆に「池」や「窪」が付くところは、微凹地であるなどの関係について具体例を挙げていただきました。また、千曲川の瀬直しの歴史についても触れられ、治水地形分類図と地域に残る絵図といった文献、そして地名が、強いつながりを持って古い歴史が見えてくると結んでいただきました。

 須坂市まちづくり推進部長の樽井氏からは、平成16、18に須坂市で発生した水害の際に災害対応にあたられた経験から、日頃からの備えの大切さや水防活動の苦労談をお話しいただき、その際に堤防漏水、基盤漏水が多発した箇所は、旧河道上に堤防を造ったような箇所であったことや、地域の言い伝えや長老の方々の語り継いできた水害の痕跡などが、この治水地形分類図で一致していることに驚いたという率直な感想をいただきました。

 併せて、千曲川河川事務所の石川副所長からも、河川管理者の立場からの治水地形分類図の活用方法等について説明しました。旧河川の跡など脆弱な基盤の上に堤防を造っても、大きな出水時の安全と安心を守ることができないことから、そういった意味合いからこの図は非常に重要であることや、地中の情報があらかた掴めていれば、調査費の節約ができ予算の適正な執行につながることなどのメリットをお伝えしました。

 最後に、熊谷氏から「治水や人の流れの中に、この治水地形分類図を作っている人達も加わりながら、千曲川をより安全で豊かな川にしていくことが、これからも絶え間なく続いていくと思います」と非常に含蓄のある感想をいただきました。  

須坂市役所 樽井氏 千曲川河川事務所 石川副所長
熱心に聞いていただきました 治水地形分類図のサンプル
(PDF書類204KB)

当日配布した資料はこちら 
 資料@「治水地形分類図」とは何か (PDF書類 約2MB)              
 資料A治水地形分類図 (千曲川地区更新図)の見方(PDF書類 172KB) 
 資料C裾花川の「瀬替え工事」ほか (PDF書類 289KB)        
 資料D寛保2年洪水後堀割計画ほか (PDF書類 803KB)        
 資料E日本一の大河 千曲川 (PDF書類 868KB)          
 資料F地図から見える治水と歴史 (PDF書類 約2MB)         
 

 

ページトップへ

〒380-0903 長野市鶴賀字峰村74
千曲川河川事務所 調査課 TEL 026(227)9434 FAX 026(227)7682
Copyright (C) 2007 Chikuma River Information Room. All Rights Reserved.