中学生の部 銀賞作品 「いつまでもきれいな川で」 青木 恵理 須坂市立墨坂中学校

 私の住む町には、川があります。その中でも一番大きいのが、千曲川です。よく車で橋を通るときに、千曲川をながめます。とても広くて、長くて、深そうで、周りにはたくさんの木や畑があります。通学路には千曲川に流れ込む鮎川という川があるので、たまに立ち止まってながめます。とてもきれいで、水が澄んでいて、夏の暑い日なんて飛び込みたい、と思うほどです。私は、そんな川のある風景がとても好きです。
 川にごみが捨ててあるのを目にすることが、最近とても多くなってきたように感じます。私が意識して川を見るようになった、ということもあると思いますが、ごみが人間の手によって捨てられ、川が汚されているのです。川は苦しんでいるはずです。山から流れてきたきれいな水が、人間のせいで汚されてしまっているのですから。
 ごみだけではありません。私たちが日頃何気なく使っている洗剤やシャンプーなども、川に流れ込み、川の植物や生物を苦しめているのです。このように、何も考えない私たち人間のせいで、川は苦しみます。
 そんなことは、絶対なくさなければいけない、と私は考えます。人間の勝手で川が、海が、地球が汚されていっているのです。絶対にいけないことです。
 川をこれ以上汚さないために私たちができること。それは、まず理解すること、知ることだと思います。
 私たち人間が、苦しんでいる川や海のことを知るのです。そして、私たちの行動で間違っているところを理解し、直していくことが最も重要だと私は考えます。
 ごみの問題もありますが、私が一番世の中の人たちに理解してほしいことは、洗剤についてです。テレビのコマーシャルなどで、よく落ちる、きれいになる、除菌ができる、と宣伝しています。見ている人はきっと、川のことなんて考えないでしょう。ですが、よく落ちるとはどういうことなのでしょうか。
 それは、組織を破壊する、ということです。界面活性剤という薬が入っていて、油などを落としているのです。油だけではありません。生物の組織も壊してしまいます。死んでしまうのです。カビ取り剤なんて強いものが川に直接流れてしまったとしたら、一体どうなってしまうのでしょう。たとえ少量でも、とても危険なものなのです。そんな危険な洗剤を「便利だから、手間がはぶけるから」という理由で使い続けていてもいいのでしょうか。私はいけないと思います。だから、世の中の人たちにも知ってもらいたいのです。
 私の家では、純石けん分というものでできた石けん、洗剤、シャンプーを使っています。川への悪影響は、ほとんどないそうです。他にも、私たちにできることはたくさんあるはずです。ごみは持ち帰る、油はふき取ってから洗う、洗剤の量を減らす…。たった一つでも、少しでも、やるのとやらないのとでは大きな違いです。今まで汚してしまった分、きれいにしていかなくてはいけないと思います。私は一人でも、続けていくつもりです。いつか世の中の人々全員が、私と同じ考えを持ってくれたらいいな、と思っています。
 私は川がとても好きです。だから、いつまでも、きれいな川が私のそばにあってほしいと思います。きれいな川を、私自身の手で汚すなんてことはしたくないのです。苦しんでいる川を、もっと苦しめるようなことをしたくはありません。川は声を出しません。海も、そして地球も同じです。だから、私たちが気付いて、きれいにしてあげることが大切なのです。私にできることをやっていこうと思います。大好きな川を守っていくために。大人になってもこの気持ちを持ち続けていたいです。
 この川や海、山、地球すべてのものは、未来の子供たちのために借りたものです。このままの形で、もっときれいにして返さなくてはいけません。だから、いつまでも、きれいな川が流れ続けてほしいです。そして、いつまでもきれいで住みよい地球であってほしいです。
このウインドウを閉じる ×