中学生の部 銅賞作品 「川と関わってみて」 三澤 智博 梓川村立梓川中学校

僕たちの村、梓川村には村の名前にもなっている「梓川」という川があります。
 その梓川を僕が小学校六年生のころ、クラスで「梓川を手作りボートで川下りしよう。」という活動が行われました。しかし、実さいに梓川に行ってみると、いたるところにゴミが落っていました。これでは川下りどころではないということで、クラス全員で二つのグループにわかれて川をきれいにしようということになりました。一グループは、定期的な川のゴミ拾い。もう一グループは看板を作って、ゴミを捨てないように呼びかけました。最終的には、看板を作るグループの人たちもゴミ拾いに加勢するようになりました。僕はゴミを拾う方のグループになりました。
 そして最初のゴミ拾いの日、僕は正直、めんどくさいなぁ、と思っていました。それでも、梓川で川下りをしてみたいという想いがあったのでがんばってゴミを拾いました。すると僕の想像をはるかに越える量のゴミが拾われました。さらに、グループ全員で拾ったゴミを合わせるととんでもない量のゴミになっていました。この現実を目のあたりにした僕は、このままではいけないと強く思いました。その想いを胸に第二回、第三回とゴミ拾いを続け、なるべくゴミが減っていくようにと願っていました。そのかいあってゴミ拾いを続けていくうちに少しずつゴミが減っていきました。加えて看板も完成したので、さらにゴミは減っていきました。
 それから少したったある日、僕達と同じように梓川のゴミを拾っているおじいさんから「おかげで梓川のゴミが減った。」という言葉をもらいました。それは、僕達の活動が確実に成果を出しているという証こでした。それを聞いた僕は、嬉しさがあふれてきました。それと同時にもっとがんばろうという気持ちもこみあげてきました。
 こうしていくうちに、とうとう川下りをする日が来ました。ボートは、牛乳パックを集めてお金に換え、そのお金で材料を買って作ったものです。ボートというよりはいかだに近いものでした。
 ボートで梓川を一キロメートルほどの距離の川を下ることができました。自分達できれいにした川と自分達で作ったボートで川を下れるのは、めったにできない経験なのでこの経験をこれからも大切にしていきたいと思います。
 こうして僕達は川がきれいなことの気持ち良さをこの活動を通じて学んでいきました。川を汚すことは自分の心を汚していくことになるでしょう。どれだけ川や水を大切にできるか、それはこれからも人の課題になっていくと思います。

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