改修計画の川幅を狭めた小布施堤防(小布施町)
川幅を狭めた堤防計画
小布施橋下流右岸に位置する山王島、明治10年代にそれより下流押羽村まで堤防が築かれていた。その下流側から立ヶ花狭窄部までの間は堤防がなく、東側に広がる低湿な延徳沖の水田地帯は水害の常襲地であった。
改修工事の計画は川幅を約1,260mとする計画であった。千曲川堤防予定地と堤外地は両岸とも旧小布施村にあたる。このことから堤防敷地の買収価格と計画の川幅について異議が出され、川幅を約360m狭めて約900mとし、堤防の高さを約12cm高くすることで合意した。
ケレップ水制
水衝部に設置される水制で、明治の先端技術であるケレップ水制は、千曲川では県施工では珍しく比較的早い段階で採用されていた。平成11年に押羽地区の護岸工事現場で当時の技術を偲ばせるケレップ水制が発見された。
旅人を魅了する小布施
葛飾北斎の天井画や千両堤を築いた福島正則など歴史ある街並みに、いくつもの老舗栗菓子店が軒を並べる小布施町。街並みを離れ千曲川を訪れれば堤防に沿って4kmも続く八重桜の並木、河川敷地に咲き乱れる菜の花と花桃が迎えてくれる。