川と共に暮らす
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戸倉上山田温泉と自営堤(千曲市)

明治43年千曲川大洪水による戸倉上山田温泉の浸水

上流の坂城町横吹の断崖下を流れた千曲川は、戸倉町磯部の岩崎を過ぎると左岸の戸倉町八王子の獅子ケ鼻に向かう。獅子ケ鼻上流で旧河床に位置する戸倉上山田温泉は、洪水による家屋の流出や浸水がたびたび起っていた。

明治43年 千曲川大洪水による戸倉上山田温泉の浸水。
逃げ遅れた客の姿が見える

自営堤防

上山田温泉では明治41年の水害後、県の認可を受けて、堤防約270mの延伸と水はねの中聖牛10組を計画し、石堤だけであったが自営で築造した。大正4年5月20日、堤防の新設を祝い臨時水天宮祭を挙行するに至った。

改修工事の進捗

その後、大正9年には長野県による改修工事がはじまり、大正11年に完工した。土地の寄付に加えて工事費の2割弱が地元による寄付負担であった。

大正11年2月 力石村(上山田町)堤防工事始まる千曲川左岸
大正年間 更級郡更級村(現戸倉町)の千曲川左岸堤防復築工事。
昭和3年千曲川から切り立ったがけをけずっての難工事
自営堤防 計画図(大正4年綴)

内水被害対策

昭和58年、溫泉街を流れる荒砥沢の内水被害を防止するため八王子排水機場が完成した。

八王子排水機場と温泉街
  • 着工遅れる飯山地方の大堤防工事
  • 千曲川本川堤防が決壊
  • 立ヶ花狭搾と延徳沖の湛水
  • 改修計画の川幅を挟めた小布施堤防
  • 千曲川に加えて天井川「百々川」の脅威
  • 洪水に苦しめられた川中島平
  • 千曲川の瀬替えで分断された西寺尾
  • 戸倉上山田温泉と自営堤
  • 坂城の河岸段丘と千曲川氾濫原
  • 蚕都上田の礎飯島堤防と中之条堤防
  • 安曇野の湧水と三川合流
  • 犀川上流直轄改修のはじまり