信濃川氾濫原の特徴

 信濃川の氾濫原は日本でも有数の穀倉地帯である越後平野の大半を占め、 新潟県の主要都市である新潟市、長岡市 などが位置し、人口・資産が集中しています。 氾濫原内の人口は、新潟県の全人口の約半分に当たる122万人が住んでおり、 氾濫原内の資産額は、新潟県の全資産額の約40%に当たる11兆円にのぼります。
 約1万年前に は現在の越後平野は海でした。その後、信濃川・阿賀野川を初めとした 大小の河川が運んだ土砂が堆積して湿地になり、次第に広大な越後平野がつくられました。 長岡市はかつての旧河道上に都市が形成され、信濃川右岸が一度破堤すると 氾濫水が流れやすい地形であるため、大きな被害につながる恐れがあります。

氾濫原とは

 川によって流されて来た土砂が堆積して形作られた平地を氾濫原といいます。信濃川の上流や魚野川の氾濫原は川に沿った谷底の狭い区域に作られています。また、信濃川の下流では広大な平野になっています。氾濫原はもともと川が氾濫しながら、土砂を堆積させていった土地なため、氾濫を受け易い地形になっています。

シミュレーション条件

 信濃川の河道は現在改修途上であり、大洪水を安全に流せる能力は依然十分でありません。そのため、現在の河道 で流すことのできる限界以上の洪水が発生すれば、いたる所で堤防が決壊することが予想されます。たとえ、計画 上の河道が完成したとしても計画を上回る洪水は自然を相手にしている限り発生する可能性があり、破堤に備えた 対策を常に考えておくことが必要です。 そこで、150年間に1回の確率で起きる大雨(信濃川の計画洪水規 模)が降ったと仮定し、現状の信濃川における氾濫被害状況をシミュレーションしました。